第一章

7/18
前へ
/1380ページ
次へ
ティニー:「まぁまぁ…」 ティニーがフォルメントとシンザスを落ち着かせようとするが、逆に二人の感情の激しさが高まっていく。 ティニーが慌てていると、十真(とおま)とゼファルが妖精達の様子に気付く。 ゼファル:「…何やってるの?」 ゼファルがティニーに聞いてみる。 ティニー:「ゼファル~っ、フォルメントとシンザスがなんか…感情が垂れ流しだから可愛い~…とか可愛くないとか…寂しそうとか寂しくないとか…」 十真/ゼファル:「???」 二人はティニーが言う垂れ流しという意味が分からなかった。 クレイフィン:「………」 一部始終を自分の耳で聞いていたクレイフィンが短いため息を吐きながら、フォルメントとシンザスを摘(つま)み上げる。 フォルメント/シンザス:「きゃ/わっ」 フォルメントとシンザスは手足をばたつかせながら、クレイフィンを見る。 フォルメント:「な、何よ…」 シンザス:「クレイっ、何すんだよー」 十真達(ゼファルとティニー)はクレイフィンの行動に目を奪われていた。 クレイフィンはフォルメントとシンザスに口許を寄せると、小声で呟く。 クレイフィン:「…私は百面相のほうが可愛いと思うぞ」 フォルメント/シンザス:「!!!」 二人はクレイフィンの言葉に目を丸くする。 十真:「あ…」 ゼファル:「…あ」 クレイフィンがそういって珍しく微笑みを浮かべる。 フォルメントは両手で顔を隠し、シンザスは片手で顔を隠す。 フォルメント/シンザス:「一一おっしゃる通りです…」 二人の妖精は表情をころころと変えるパートナーにかなり弱かった。 思い当たる節がある二人は大人しくなるしかなかった。 十真とゼファル、ティニーは不思議そうに顔を見合わせるしかなかった。 フォルメントとシンザスが言い合いをしている頃、十真の真後ろにいたグラント達は席を離れていた。 グラントが眠らない溜まり場(レスト・センター)に入ってきたラスカをたまたま発見したので、彼女の元に向かっていた。
/1380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加