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グラント:「よぉ…昨日はどうも」
グラントは相変わらず、同性のポアスティング族を引き連れるラスカを見て、挨拶をしてみる。
ラスカはため息を吐く。
彼女はクレイフィンと違って興味なくても記憶力はあった。
ラスカ:「またお前か…今度は何だ?」
グラント:「今日もまた同族いびりをやるのか気になってなぁ…」
ラスカ:「…やるかやらないかは私達次第だ。ザイル族ごときに一一」
グラント:「一一はいはい、おっしゃる通りで。まぁ…せっかくの同族なんだし…仲良くやりなよな」
グラントがラスカを見てウインクをする。
ポアスティング族達が一斉に後ずさるが、ラスカはそのままだった。
ラスカ:「気色悪いことをするな。私はあの方と仲良くしたい。しかし、向こうが拒否っているからこちらから行くしかないのだ」
グラントは目を丸くする。
グラント:「そうなのか?…そりゃあ…まぁ…頑張れ」
グラントは勘違いに頭を掻きながらも、同情する。
ラスカ達に同情するように他の二人ねザイル族も苦笑していた。彼等がたまたま後ろに妙な気配を感知する。
ザイル族②③:「!!!!」
さぁ…と顔から血の気が引く。
二人は数歩下がって、『彼女』に道を譲る。
彼女:「…あららぁ?何だか楽しそうね、ア・ナ・タっ」
グラント:「!!!、こっ、この声は…」
グラントが振り向くと、そこにはザイル族の女が腕組みをして極上の笑みを浮かべていたが、明らかに額には怒りマークが沢山浮き上がっていた。
グラント:「ら、ら…ラーシャ…」
ラスカ:「…なんだ、このザイル族の女は」
ラーシャ:「!?、貴女こそ何よ…。調べはついてんのよっ!、貴女が私のダーリンと仲良くしてたのを見てた仲間がいるのよねーっ」
ラーシャと呼ばれたザイル族の女は全力でラスカに絡む。
ラスカは覚えのない絡みに力無く否定する。
端から見ると、ウサ耳を持つ女に、トカゲの尻尾とトカゲの顔つきをした女が噛み付くという奇妙な光景だった。
今にもラーシャがラスカに襲い掛かって丸呑みにしそうな勢いだった。
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