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十真:「えっ一一ちょっと待ってくれよ。…武器って俺、武芸的なことをこれまでに習ってきてないんだけど…っ」
十真(とおま)の言葉にクレイフィンとティニー、ゼファルとシンザスがお互いに見て微笑む。
そしてフォルメントは十真を見て優しく微笑む。
フォルメント:「…心配はいらないわよ、トオマ。貴方はきっとこれから…強くなって武器を操れることが出来るようになるわ」
フォルメントの言葉にゼファルが頷く。
ゼファル:「現に、他の人間族も武器を取って…きちんと中級者になってるしね」
ゼファルはニコッと十真に微笑みかける。
十真は悶々と頭を抱え込むと、声にならない雄叫びをあげる。
クレイフィン:「狩りは基本的に慣れだ。今は理解出来なくとも…お前は立派な狩り者になる」
クレイフィンの言葉に十真はババッと彼女を見て再び頭を抱え込む。
十真:「狩りって…あのね…」
クレイフィン:「…?」
クレイフィンは不思議そうに十真を見ていた。それを見たゼファルやシンザス、ティニーやフォルメントは笑いを堪えていた。
ポアスティング族は基本的に動く植物を食す種族だった。なので、狩りという言葉はありふれた言語だったため、十真が困った表情を不思議そうに眺めていた。
それを見たフォルメント達は二人の対象的な生活や価値観の違いが表立ち、思わず笑ってしまっていた。
< 対戦場 >
中級者の対戦場は階級なしの砂漠や初級者の海上とは違っていた。
そこは足元に巨岩石が所々に転がり落ちていた山だった。
戦う場所は地上や空のどちらでも構わなかった。
そしてそこには既に、ポアスティング族のラスカとザイル族のラーシャが向き合うようにして赤いボードの上に立っていた。
ラスカの手にはクレイフィンと同じ『槍』、ラーシャの手には『鈍器(どんき)』が握られていた。
ラスカの握る『槍』は3つの性能があった。1つ目は突き刺す、2つ目は斧のような刃を持ち、3つ目は武器を受け止める為の機能を持つ尖んがった部分。
ラーシャの握る『鈍器』の性能は武器を受け止める為に片側は鉄が埋め込まれた鉄製になっていて、もう片側は普通の岩だった。
ポアスティング族は『槍』、ザイル族は『鈍器』と決まっていて、特殊な能力がそれぞれの種族が持つ武器に備わっていた。
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