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< 対戦場 >
ラスカとラーシャは無言で睨み合いを続けていた。
二人の回りには妖精の姿がなかった。妖精達は彼女達の頭上にいて同じように睨み合っていた。
ラスカの妖精は♀のリガ、ラーシャの妖精は♂のタクだった。
リガ:「例え女だからって手加減したら許さないわよ」
タク:「ふん…パートナーがポアスティング族のやつだからお高くとまりやがって」
お互いのパートナーが仲が悪かったら自然と彼等も仲が悪くなる。
タク:「俺の相方に手を出しやがって…許さんっ」
リガ:「…私のラスカがあんなザイル族に手を出したって思ってるの?…馬鹿ねぇ…ウフフ」
リガが口に手を当てて笑う。
タク:「なっ一一」
タクはリガの言葉にわなわなと身体が震える。
頭上で既にバトルが起きている頃、ラスカとラーシャは武器を構える。
ラーシャ:「私のダーリンに手を出したことを後悔させてあげるわ」
ラスカ:「…フン…」
ラスカは鼻で笑うと、口元に笑みを浮かべる。
ラスカ:「一一私が直々に対戦してあげることを喜ぶことだな」
ラーシャ:「なっ…」
ラーシャはラスカの言葉に赤面する。
ラーシャ:「…チッ、ポアスティング族の長だからといって…それは私に対する侮辱…」
ラーシャはラスカに夫を取られたと思い込んだのと、侮辱されたことに怒りが高まっていく。
高まっていくのと同時に、頭上にいた『リガとタク』の身体が光り輝く。
ラーシャは鈍器を握っていない左手を上げる。
ラーシャ:「…これでもくらいなさいっ!、『濃煙(フォグ)』」
『濃煙(フォグ)』と唱えた瞬間、ラーシャは左手を振り下ろす。彼女を中心として素早くラスカの周囲を濃い濃霧のような煙が包み込む。
煙の中でも視界が利くラーシャは赤いボードをラスカの頭上に移動させようと一一したその時、ラスカの槍が自分の目の前に刺し迫っていた。
ラーシャ:「!?、なっ…」
ラーシャは片側の鉄製を素早く槍のほうに向けると、受け止める体勢になる。
腰を落とし、その衝撃を待つが一一
ヒュンッという小さな音と共にラスカの姿が消える。
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