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ラーシャ:「(消えた!?、何処なのっ)」
ラーシャは濃い煙の中でラスカの姿をさがす。彼女は先ず真後ろを見るとそこに姿はなく、左右を慌てて見回す。
ラーシャ:「!?、?!」
ラスカの姿は何処にもなかった。
ラスカ:「(…甘いな一一まだまだだな)」
ラスカは気配を消してラーシャの真下に陣取っていた。慌てる彼女を見てゆっくりと槍を構える。
頭上では再び、リガの身体が輝く。
タク:「(!、ラーシャっ、来るぞっ)」
タクは素早くラーシャに伝える。
ラーシャ:「なっ一一」
全くラスカの姿が捉えられなかったが、魔力を感知した真下を見たが一一
ラスカ:「命あるものを射抜け、『無数の槍(カウントレス・ジャベリン)』」
ラスカは言葉と共に、持っていた槍を空を突く動きを素早く行う。
空を突いた動きは小さな風が発生し、それは衝撃波を生む。
細かい衝撃波はラーシャに容赦なく襲い掛かる。
ラーシャ:「きゃっ…くぅっ…ザイル族の一一威厳の為…ダーリンの為…私は一一負けるわけにはいかないのよーーっ」
ラーシャは細かい衝撃波だったために身体を守る防御体勢を一瞬だけやめると、再び身体を縮こめる。
ラーシャ:「『断崖の鉄壁(ブラント・ディフェ)』」
カカカツッと、まばゆい光りと共にラーシャとラスカの間に、ゴツゴツとした岩肌が出現する。
岩肌はラスカが放った細かい衝撃波を弾き返す。
ラスカ:「………」
それを見たラスカは再び槍を構え直すと、岩肌の向こうにいるラーシャに狙いを定めると…そのまま一気に槍を突き刺す。
ドガッ…ビシッという音と共に、ラーシャが作り出した岩肌に亀裂が入る。
ラーシャ:「なっ…」
亀裂が入った岩肌は大小様々な大きさになって砕け散る。
そこからラスカの姿と槍が見えた瞬間一一ラーシャは自分の死を覚悟する。
中級者からは対戦相手を手に掛けることは許されている。
?:「一一ラーシャっ」
ラスカとラーシャの間に、誰かが飛び込む。
ガキィ…ンと甲高い音が辺りに響き渡る。
ラーシャ:「っ!、だ…ダーリン…?」
ラスカの槍を自分の鈍器で受け止めるグラントがそこに立っていた。
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