第一章

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ラミセルドはそういって、グラントの真横を通過する。 グラントはラミセルドの言葉に目を丸くしていたが、慌てて彼のほうに振り向く。 ラミセルドはグラントが振り向くのを知っていたのか、彼は後ろ手に来た時のように手を振っていた。 グラント:「(お前はどうして…そう一一)」 グラントはラミセルドがラーシャという存在がいることを知らなかったはずだ。 ラミセルドがラスカとラーシャの対戦はもちろん、眠らない溜まり場(レスト・センター)での言い争いをみていた可能性があった。 グラントはラミセルドがそのまま光りの壁に入るのを見た。それだけを言うために自分に会いに来たのではないかという感覚に陥る。 グラント:「そんな…まさか、な」 < ラミセルドの部屋 > ラミセルドは部屋に戻ると懐かしい人物と話した事や対戦を思い出して、小さく笑う。 ラミセルド:「…ったく…良い顔をしやがって」 ラミセルドの脳裏に、対戦の最後に見せたグラントの穏やかな微笑みを思い出して、彼は部屋に残していたメトンに視線を向ける。 メトンはラミセルドの表情を見て小さく笑う。 メトン:「一一会いたい奴には会えたみたいだな」 ラミセルド:「…おぅ。俺はもう迷ったりはしない。ただ…与えられた道を進むだけだ」 メトンはラミセルドの言葉に少しだけ寂しそうに微笑むが、直ぐにその表情は掻き消すのだった。
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