第二章

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眠らない溜まり場(レスト・センター)に向かっている時、十真(とおま)は通路を見回しながら歩いていた。 十真:「(一一あれ?)」 十真は基本的に自分と、ゼファルやクレイフィンが関わる事以外にあまり対戦を見ることはしなかった。 理由としては、魔法対戦という形式にまだ慣れていないというのが主な原因かもしれない。 しかし、中級者の対戦を目の当たりにした今、階級によっての対戦の変化が気になりだしていた。 階級なしは全種族vs土人形で魔法対戦、初級は種族関係なしの一対一で魔法対戦、中級は種族関係なしの一対一で武器・魔法対戦…となっていた。 通路にある滝の画面に流れている映像には、基本的に『異種族』との対戦が目立っていた。 十真:「(一一あれ?)」 十真はフッと足を止めた。 十真:「(『異種族』の対戦が目立っていたのに一一クレイフィンのポアスティング族だけは…?)」 急に足を止めた十真にゼファル達が振り返って彼の名前を口にする。 十真は慌ててゼファル達を追い掛ける。 十真:「あ、ごめん、ごめんっ」 クレイフィン:「…どうしたのだ?、気になる者がいたのか?」 十真は慌て否定する。 十真:「そんなんじゃないって。…何となく?」 クレイフィン:「あまりぼーっとするな。ティニー達が心配するからな」 十真はクレイフィンの言葉に目を丸くする。 十真:「…クレイフィンは心配してくれないんだ?」 十真はニヤニヤしながらクレイフィンを見た。クレイフィンはクールな表情を少しだけ崩す。 クレイフィン:「一一さぁな?」 十真はにんまりと笑った。 < 眠らない溜まり場(レスト・センター) > 十真達が目的地にたどり着くと、シンザスが率先して空いているテーブルをさがす。 ゼファル:「シンザス~、空いてるー?」 シンザス:「…えーっと…おっ、空いてる、空いてる」 シンザスはふわふわと空いているテーブルに向かって飛び立っていく。 それを十真達はゼファルの嗅覚をフル活用しながらシンザスを追っていく。 追っていく中で、十真はまだ見慣れたとはいえない異種族の団体に目が行く。
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