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十真(とおま)は友人達に証拠を残すために携帯電話を胸ポケットから取り出す。カメラモードに設定をし、片手で構えながら近寄る。
< ドキドキ >
十真:「…あれが…噂の…超一部の人しか見られないという…『妖精』!?、いや『ツチノコ』!?…これで俺達は一攫千金…?」
十真は右手を伸ばして水面をパシャッとカメラに撮る。彼は携帯電話の画面を覗くと小首を傾げる。
十真:「あれ?、画面には俺の手とケータイだけ??」
十真は不思議に思いながら…水面を覗き込む。
十真:「あ!」
水面には金髪のオッサンが十真を見てニヤッと頬に笑みを浮かべる。
オッサン:「不思議な道具で俺を攻撃しようとしたな?、良い判断だな一一その勇気…気に入った。お前は俺の世界の住人にしてやろう…ククク」
金髪のオッサンは十真には届かないと知っていても呟く。そして右手を水面からこちらに出してくるのを見た十真は慌てて飛びのく。
十真:「なっ…」
< ぬっ… >
水面から出て来たというのに、濡れていない右手。明らかに長すぎる右手は飛びのいた十真の胸倉を掴む。
十真:「!!!、放せっ」
十真は金髪のオッサンの右手を両手で払いのけようとするが、びくともしない。
びくともしない金髪のオッサンはズルズルと十真を池に引っ張りこんでいく。
十真:「ぅ、わぁぁぁぁ…っ」
十真はそのままバシャンと水面の中に頭から飛び込んでいく。
池の周りには十真の携帯電話がそのまま残されていて、カメラモードのまま一一金髪のオッサンに引きずり込まれる映像が流れうつった。
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