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クレイフィンは腰を浮かせて、十真(とおま)に腕を伸ばす。そして彼の頭を軽く撫でる。
十真:「!?」
突然のクレイフィンの言葉に目を丸くしていると、彼女は一一
クレイフィン:「…もちろんだ」
といって穏やかに微笑む。
クレイフィンにつられたように、フォルメント達は自然と笑顔になっていた。
< その日の夜 >
< 十真の部屋 >
十真はベッドで横になり、天井を見上げていた。
フォルメントはクッションの上でそんな十真を見つめていた。
フォルメント:「…どうしたの?」
十真はフォルメントのほうを向いて、呟く。
十真:「…ポアスティング族とウルフハウンド族の争いの原因って何なんだろうなって…ね。この事実と争いの真実をどうやって調べたら良いのかを考えていたんだ」
フォルメントはクッションからふわりと浮かんで、十真の枕元に着地する。
十真は脇腹を下にして身体を横に向け、フォルメントと向き合う。
フォルメント:「一一今の貴方には必ず、『扉』は開かれるわ。…明日の朝…通路を散歩してみましょう?」
十真:「…『扉』?」
フォルメントはニコッと微笑むだけで全てを教えてくれなかった。
フォルメント:「えぇ、『扉』よ。『望む者だけの前に現れる不思議な扉』よ」
フォルメントはそう言うと、十真に「おやすみ」といってクッションへと戻っていった。
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