第三章

4/7
前へ
/1380ページ
次へ
十真:「お、おぅ?」 十真(とおま)は不思議な返事を彼等にする。 妖精①:「図書館(インディフォーク・ライブラリー)への来館は初めてですよね?」 十真:「あ、ああ」 妖精②:「それでは簡単に説明しましょう」 妖精①:「本館では『魔法使用は厳禁』」 妖精②:「本館では『他の来館者の邪魔をしない』」 妖精①:「本館では『後ろを振り向かないこと』」 妖精②:「…この約束は守れますでしょうか?」 十真はコクンと頷く。 十真:「…あ…でも何で後ろを振り向いたらいけないんだ?」 妖精①:「図書館(インディフォーク・ライブラリー)は全体的に魔法が掛けられております」 妖精②:「『生きて出たくば、振り向くな』、です」 十真:「ぅ…」 十真は妖精①②の眼差しがとても冷たいことに気付き、彼等に対して寒気立つ。 妖精①②は十真の様子を見て、説明を進める。 十真と妖精達の間には白いカウンターがあり、ぽつんと本が置いてあった。 妖精①:「本館の本の貸出の説明を行います。貸出の際は『表紙を開いた時の内側の右側に右手をかざして下さい』、返却時には『裏表紙の内側の左側に左手をかざして下さい』」 妖精②:「そうすれば簡単に手続きが完了いたします」 十真:「へぇ…司書さんとかいないんだ?」 妖精達:「?」 妖精達は十真を不思議そうに見た。フォルメントはポカンとしていた。 フォルメント:「トオマ…『ししょ』ってなぁに?」 十真はハッとしてごまかす。 十真:「あ…いや…何でもないよ」 妖精①:「図書館(インディフォーク・ライブラリー)のご利用方法は理解していただけましたでしょうか?」 妖精②:「一一理解出来たのなら、トオマ様は我々の後ろにある扉に移動してください」 十真:「扉…?」 十真は妖精達の後ろにあった茶色い扉の存在に気付く。彼はフォルメントを見た。 十真:「さて…行こうか、フォルメント」 十真はフォルメントに手を伸ばすと、彼女は気まずそうに身体を揺らす。
/1380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加