第三章

5/7
前へ
/1380ページ
次へ
十真:「一一フォルメント?」 フォルメント:「えっと一一図書館(インディフォーク・ライブラリー)には私達、妖精は行けないんだよね…」 十真:「………、えぇっ!?」 十真(とおま)が戸惑っていると、妖精①②が彼に告げる。 妖精①:「妖精はパートナーと共に本館には入ることは出来ません」 妖精②:「それが本館での妖精のルールです」 十真は戸惑っていたが、フォルメントを心配そうに見ながらも、茶色い扉の中に入っていった。 フォルメントは一人になると、妖精①②の前に立つ。 妖精①:「…準備はよろしいでしょうか?」 フォルメント:「ええ」 妖精②:「一一本館に入る代償の契約を行います」 妖精①②は同時に右手をフォルメントに翳(かざ)す。 すると、フォルメントの身体が光り輝く。フォルメントはゆっくりと瞳を閉じると、一瞬にして彼女の身体を『クリスタル』が覆う。 その『クリスタル』は、フワリと真っ青な不思議の空間の真下へと移動していく。 この真っ青な不思議の空間は図書館(インディフォーク・ライブラリー)に入っていったパートナーの数だけ、彼等の妖精がおさめられていた。 彼等が魔法を発動しないようにするためにはこうしないといけないのは、妖精なら誰でも知っていた。 この『クリスタル』の中ではパートナーといつでも話すことが出来たので、基本的には不便なことはなかった。 < 図書館(インディフォーク・ライブラリー) > 茶色い扉を開いた先は、白を基調とした図書館だった。 左右にはそびえ立つ本棚が隣り合わせにびっちりと並べ立てられていた。 本棚には一定の長い幅の間隔で柱が間にあり、その柱にはバルコニーが設置されていた。 そのバルコニーの下には、『緑のボード』が一枚ずつ置かれていた。 十真:「(ぅわー…)」 十真は辺りを見回す。正面の通路には幅広い一本道と、その脇には正方形の四人掛けの椅子が置いてあった。 その椅子には本に読み耽るそれぞれ違った種族達がいた。
/1380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加