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レパード族の女の子は長い長い梯子(はしご)に、右肩を付けて両手で左側梯子の足を掴み、レパード族の男の子は左手だけ梯子に手を掛けて身を乗り出していた。
レパート族①(女):「きゃーっ♪」
女の子は楽しそうに悲鳴をあげていた。
レパート族②(男):「わーっ♪」
二人は十真(とおま)の存在に気付いている気配はなかった。
レパート族②:「ライズ、次のバルコニーでフィニッシュにするよっ!」
ライズと呼ばれた女の子は頷く。
ライズ:「わかったわ!…いちにの…それっ!」
ライズの合図で、二人は梯子からピョンッと飛び上がり、バルコニーにすたとん…と着地する。
着地したのと同時に、本棚のレールに乗って動いていた長い長い梯子が…バキィンッと激しい音を立てて、終着地点のレールに当たってバウンドさせながら…来た道を戻っていく。
着地したライズと男の子はケタケタと腹を抱えて笑っていた。
十真:「(な…何…?)」
十真はアホ面で彼等を見上げていた。
見上げていたその時、ライズではない男の子のほうのレパード族が、十真の存在に気付き…バッと見て固まる。
ライズ:「?、一一ラーン、どうしたのよ?」
ラーンと呼ばれた男の子が見ていた方向をライズが見る。
ライズは眉間に皺(しわ)を寄せながら…呟(つぶや)く。
ライズ:「一一『ミハル』?」
十真:「…え?」
十真はライズが口にした明らかに日本人らしい名前に反応をする。
その名前はどこかで聞いたことがあるような気がした。
ラーン:「え?…違うよ、ライズ。ミハルは一一『数十年前に』一一」
ライズ:「そうだった??…私の『記憶違い』だったかな?」
ラーン:「うーん…ライズの『記憶違い』はありえないよ。…よし」
ラーンはバルコニーからひょいと、飛び降りた。飛び降りた彼は十真に近づく。
十真はラーンから後ずさりをする。
ライズとラーンはその動きを見て、固まってしまう。
ライズ/ラーン:「一一もしかして…私(僕)達が見えてる?」
十真:「へ!?、見えてるも何も…言葉がっ?!」
十真はフォルメントや近くに妖精がいないのに…彼等の言葉が理解出来た事に驚く。
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