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『異様』を目にした十真(とおま)は不思議そうに二人を見ていた。
十真:「あんた達って一体…」
ラーン(♂)はちらりとライズ(♀)を見た。
ラーンは小さなため息を吐く。
ラーン:「ごめんね、トオマ。僕達はこの図書館(インディフォーク・ライブラリー)の『映像と言語』を管理するレパード族の双子だよ。僕はラーン、彼女が姉のライズだよ」
ラーンは「よろしく」と言って微笑む。ライズは十真にあまり興味がないのか、無愛想に小さく頭を下げる。
十真:「『映像と言語』??、管理…?」
ラーン:「僕とライズに会えたってことは…この『図書館(インディフォーク・ライブラリー)に存在しない何かを知りたい』って事だよね?…何が知りたいのかな?」
ラーンはライズと違って笑顔が絶えず、雰囲気が柔らかかった。
双子は双子でも、雰囲気は正反対だった。
十真:「え?…此処にもない本を俺は探しに来てたのか!?…なら…あんた達に言っても意味がないんじゃ…」
ライズ:「一一私達に会えたことは何かしら意味があるわよ。ここは『そういった場所』だから」
十真はライズを見る。
十真:「『そういった場所』って?」
ライズ:「この図書館(インディフォーク・ライブラリー)は全体的に魔法を帯びた空間。私達が会えたってことは貴方にとって私達が必要ということよ」
ラーン:「『意味のない出会い』はこの空間ではありえないからね」
レパード族の双子は寄り添いながら、十真にそう告げた。
十真は頭を掻きながら、二人を見た。
十真:「一一図書館(インディフォーク・ライブラリー)に本が無いってことは…それだけヤバイ内容を俺は知りたがってるって事なんだけど…あんた達は秘密とか守れるのか?」
十真の言葉にライズとラーンは見合ってニヤリと微笑む。
ライズ:「私達は囚われの鳥」
ラーン:「此処は僕達の籠(かご)」
ライズ/ラーン:「私(僕)達に自由が無く、いつも二人だけの世界。だから誰かに話すことはありえない」
十真:「ぅ…流石…双子…」
全く同じ言葉とタイミングに十真は目を丸くしながら驚いていた。
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