第四章

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ライズ(♀)とラーン(♂)には、他の『きょうだい』には負けないくらいの深い絆がそこにはあった。 双子という特別な関係が深く関わっているのかもしれない。しかし今はまだ一一。 ラーンは何かを考え込む十真(とおま)に視線を移す。 ラーン:「一一トオマ?」 十真:「!」 十真はラーンの声にハッと我に返る。彼はあいまいに微笑むと表情を引き締める。 それを見たラーンは話し始めた。 ラーン:「一一二つの種族が担っている役割っていうのは…『保守派』と『革新派』と呼ばれたグループの存在が大きく関わっているんだ。そのグループの始まりを僕達は知らない…でも、彼等が何で対立しているのかは知っているよ。『保守派』は旧来の先輩達が守ってきた制度、習慣を守たい、『革新派』は新しい風を取り組むのかという事での意見の食い違いから始まり一一現在の『革新派』のウルフハウンド族と『保守派』のポアスティング族に分かれたんだ」 ライズ:「私達はその二つのグループが2つの種族として分かれたのかは知らないわ。やっぱり…その裏には一一」 ラーン:「一一種族の特質性が関わっているんだろうなって思ってる。トオマは今までの生活の中で…気になったりすることはないかな?」 十真:「その気になったり…はウルフハウンド族とポアスティング族の対立…に関してについてか?」 十真の質問にラーンはゆっくりと頷いて彼を見る。 十真:「んー…そうだなぁ…」 十真は頭を左手で頭を掻く。 十真:「あ…そういえば…ウルフハウンド族は滝の画面を見上げながら…他の種族の『強い奴』の話題に触れて…対戦していた気がする。でも、それとは対照的に一一ポアスティング族は…他の種族と協力や対戦したりする姿を見たことがないかも…」 十真の言葉にラーンは何度も頷き、十真に向かって人差し指を突き立てながら言う。 ラーン:「そうっ!、それが彼等の役割の対立の証拠だよ!…やっぱり…目立った様子はないみたいだけど一一昔からの習慣はなかなか取れないはずだよ」 十真:「ふーん…でも…担っている役割の対立にしては一一お互いの存在の無視加減は…なんか…行き過ぎの気がする…」 ラーン:「!」 ラーンは十真の言葉に少しだけ目を泳がしてしまう。
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