第二章

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十真:「…ぅ…」 十真(とおま)はふと…頬に微かな衝撃をぱしぱしと感じたので目を開ける。 ?:「ちょっと…ねぇ、君…大丈夫なの??一一ねぇ…」 十真の耳に森(?)の中で聞いたあの時の声が聞こえる。 十真:「一一金髪の…オッサン…なのか?」 ?:「!!!!!!!!」 金髪のオッサンと呼ばれた声の主は腹を立てて思いきり両手を高々に上げてブンッと十真の頬にたたき付ける。 < ぱちん > 十真:「…何なんだよ…一体…」 十真は頬に感じる衝撃に彼は閉じていた目を開ける。 十真:「な…何だよ…あれ、此処は…」 十真は真っ白な天井を見て目を丸くする。そこにはプロペラが付いた電球がある。 ?:「やっと目を開けたのね、君。あたしをオッサンだなんてよくも呼んでくれたわね!」 十真:「…へ?」 十真は天井から下、かなり下のほうに視線を向ける。 視線の先には、『小さな小さな人間』がいた。金髪は上で軽く束ね、後ろ毛は下ろしていた。緑の瞳をした彼女の背中には半透明の綺麗な羽が生えていた。服はワンピースにベストというシンプルなものだった。 十真:「!!!、妖精!?…いやそんなまさか…俺…どっか頭を打ったのかなぁ…」 十真は軽く頭を叩く。彼の様子を見た彼女はポカンとしている。 妖精(?):「一一凄い…よく知ってるわね」 十真:「は?君は…妖精?、マジ?」 妖精は頷く。 妖精:「妖精の世界へようこそ。私の名前は『フォルメント』よ…貴方のパートナーよ一一君の名前は?」 十真:「妖精…パートナー…?、あーなんかよく分からないけど…よろしく、フォルメント。俺は笹木野 十真だ」 十真は辺りを見回す。その部屋は程よい広さで二つの扉しかなかった。 十真:「なぁ…此処は何処なんだ?、確か俺はあの森(?)にいて…金髪のオッサンから水面に引きずり込まれたんだけど…」 フォルメントは苦笑する。 フォルメント:「金髪のオッサンってもしかして…妖精王のことかしら?」 十真:「妖精王?」 フォルメントは頷く。 フォルメント:「妖精王は私達が存在するこの世界の王であって、貴方の世界から此処に召喚した張本人よ」 十真:「召喚…」 十真の頭の中に召喚という言葉がくるくると回る。image=293608685.jpg
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