第四章

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十真(とおま)の歯抜け的な抜けた情報にシンザスは頭をガシガシと掻きむしる。 シンザス:「くぅ~っ、それじゃーポンコツのゼファルとほとんど変わらないじゃねーかよーっ」 ゼファル:「ぇ…そう…ポンコツ、ポンコツって言わないでよ。…流石の俺も凹んじゃうよ…」 シンザス:「なにぃ~!?…ポンコツって言われたくなかったら…1勝ぐらいしろよなっ!」 ゼファル:「ぅ…精進してみます…」 ゼファルは力無く微笑み、ペコッと頭を下げる。それを見た十真、フォルメント、ティニーが笑う。 クレイフィンは一人、気難しい表情をしながら…何か考え込んでいた。 ティニー:「(…クレイ?)」 笑っていたティニーがクレイフィンの様子に気付き、心配そうに見つめる。 クレイフィン:「ん?…どうした?」 クレイフィンはティニーの視線に気付き、眼差しが優しいものに変わる。ティニーはそっとクレイフィンの心に語りかける。 ティニー:「(…何か…トオマの話に不安な事でもあるの…?)」 クレイフィン:「(一一不安な事…か。いや…トオマに話をしてくれたレパード族の双子の事が気になってな…。おそらく、トオマがさがした内容は図書館(インディフォーク・ライブラリー)の本棚の中には存在していない内容だったろう…だからちょっとな…)」 ティニー:「(言われてみればそうだよね。…トオマにそのレパード族の双子のことを聞いてみたらどうかな?)」 クレイフィン:「(…ああ)」 クレイフィンはゼファルとシンザスの戯れを見て楽しむ十真に、声をかける。 クレイフィン:「トオマ、レパード族の双子について聞いてもいいか?」 十真:「ん?…良いけど…」 クレイフィンは十真にライズ(♀)とラーン(♂)の容姿、雰囲気を聞いた。十真は不思議そうに、楽しそうに彼女に話した。 クレイフィン:「ありがとう、トオマ。…その二人はよほど、歴史が好きなんだな」 十真:「うん。ラーンのほうの話し口調とか見てたら…何だかまるで…『その場に居合わせたみたい』な感覚に陥りそうだったよ…あはは」 十真の言葉に、フォルメント達は一斉に見合った。 ゼファルとクレイフィンはスッと顔を見合わせると、小さく頷く。
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