第四章

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クレイフィン:「事実、『何らかの事件』が起こらなかったとしたら…お前はどうなったと思う?」 クレイフィンはゼファルを見る。 ゼファルはクレイフィンの言葉にすかさず答える。 ゼファル:「一一やっぱり、何の躊躇もなく…今まで通りに…強い人に見境なく対戦を申し込んでると思うよ」 シンザス:「あーそんな感じするするー」 シンザスは何度も頷く。 クレイフィン:「…私やゼファルが自分の同族の印象…トオマが聞いて来た話には少しずつズレが見えて来た。お前の様子を見る限り、ラーンが嘘をつく…怪しい人物には感じとることが出来ない…それだけは理解してくれ」 クレイフィンは真っ直ぐ、十真(とおま)を見つめる。十真はその眼差しから彼女の思いを強く感じることが出来た。 十真は少しだけその眼差しに身じろぎをする。 十真:「一一うん、分かってるさ。…でも…どうしてラーンはウルフハウンド族とポアスティング族に聞けば分かるような嘘を…ついたんだろう?」 十真の問いにクレイフィンが答える。 クレイフィン:「一一『つかなければならない理由』があるんじゃないか?」 十真:「!」 フォルメント:「または一一『嘘だと分かる情報を伝えることによって、疑問をもってほしい』…とか考えられないかしら?」 フォルメントの言葉にその場の空気が変わる。 シンザス:「…そうかもしれねーな。現に、ラーンって奴の思惑通りに…トオマが持ち帰った話を疑問に思ってこうして話しているからなー」 十真達はウルフハウンド族とポアスティング族の争いの事実を知る為に、ラーン(♂)から聞いた話だったが…『微妙にズレが生じた話』に何か隠されているかもしれない事実に興味を持ちはじめていた。 十真達は「うーん…」と考え込んでいると、フォルメントとシンザスの身体がビクンと後ろに反る。 フォルメント/シンザス:「あ…」 十真:「…っ、フォルメント?」 ゼファル:「シンザス?」 十真とゼファルは突然のことに目を丸くしていた。 しかし、クレイフィンとティニーは落ち着いていた。
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