第五章

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ラーン(♂)の話について一通り話し合いを済ませた十真(とおま)達は、他愛のない話をしてから別れた。 < 十真の部屋 > 十真は部屋に戻ってくるなり、直ぐにフォルメントに話し掛ける。 十真:「フォルメント、今回の対戦はいつなんだ??…ゼファルにも聞くの…忘れてたんだけど」 フォルメントはパタパタと羽ばたきながら、十真のほうを振り向く。 フォルメント:「えっと…」 フォルメントは少しだけ言いにくそうに小首を傾げながら、十真に伝える。 フォルメント:「あ、明日ーみたいな?」 十真:「…へっ!?…なんか…突然だなっ」 十真は突然すぎる対戦の日取りに…「ふーん…」と軽く聞き流してフォルメントに背中を向けたが、思わずバッと振り返る。 十真:「一一それ…ちょっと急すぎないか?」 フォルメント:「うん…私もそう思うわ。さっきの話し合いの最中にちょっと調べてみたのよ」 十真:「え?…フォルメント…ずっと一緒にいたのに…調べられたの?」 フォルメントは十真にニコッと微笑む。 フォルメント:「フフフ…妖精の交信能力を侮っちゃ駄目よ?…『終わりなき登録所(アンクルージング・エンター)』にいる妖精に問い合わせしてみただけなんだけどね♪」 フォルメントが十真にそういってウインクをする。すると十真はフォルメントに近づくと、彼は彼女を下から掬い上げるようにして、目線の高さを同じにする。 フォルメント:「わっ…」 十真:「…ど、どうだったんだ?…何か裏とか…?」 フォルメントは十真の手の上にペタッと座り込む。彼女は至近距離でまじまじと見つめられてドギマギしてしまう。 フォルメント:「裏…とかはなかったみたいよ?…今回は私が申し込みしてなかったから…やっぱり不安になっちゃって」 十真は「そうだよなー」と言いながら頷く。 フォルメント:「『終わりなき登録所(アンクルージング・エンター)』の受付妖精によると一一ザイル族が申し込みに来たっていってた」 十真:「え?、ザイル族??」 十真はザイル族と聞いて、同じ階級で仲良くなったといえる『ラミセルド』を思い出す。 十真:「そのザイル族って…あのラミセルド?」 フォルメントは困ったように笑う。
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