第五章

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フォルメント:「受付妖精に聞いたところ…そのザイル族が誰か分からないらしいのよ」 十真:「…という事は…ラミセルドのおっさんとは言いきれないのか…」 フォルメント:「うん…だから…気をつけてね?」 十真は心配そうな眼差しを自分に向けてくれるフォルメントに微笑む。 十真:「ああ。んー俺的にフォルメントが傍にいてくれるだけで大丈夫のような気持ちになれるよ」 フォルメント:「もぅ…変な事を言わないでよっ」 フォルメントは恥ずかしそうにそっぽを向きながら腹を立てる。 それを見た十真は楽しそうにニコニコと笑っていた。 < 翌日 > < 砂漠 > 十真はフォルメントと共に、対戦場となる砂漠にいた。二人は、ゼファル達に見送られるという事はされなかった。 お互いに面と向かって、そういう事をされると小恥ずかしかった。その変わりに、ゼファル達は滝の画面から十真とフォルメントを見守っていたのだった。 十真:「あー…対戦前のこのドキドキ感…やっぱりなれないや」 十真は赤いボードで苦笑混じりに頭を掻きながら、そこに集まった彼等を見渡す。 フォルメント:「もぅ…しゃきっとしなさいよねっ!、今回の対戦は一一貴方の依頼を出した人物の特定をしなくちゃ一一」 フォルメントが十真にそう口にしている時、十真の背後から誰かが手を振りながら近づいてくる。 ?:「よぉっ、人間ボーイ!…きちんと来たみたいだなぁ!!」 十真:「ぇっ!?、あっ…ラミセルドのおっさん?!」 フォルメントは素早く、十真とラミセルドの間に割って入る。 ラミセルド:「ぉう?」 フォルメント:「ちょっと~っ、まさか…トオマの依頼を勝手に出したのって…貴方なの?!」 フォルメントの言葉にラミセルドと彼の妖精であるメトンと見つめ合うと、ニタッと笑って豪快に笑う。 ラミセルド/メトン:「ガハハハハハハ」 フォルメントはその二人を見て、頭を抱える。 フォルメント:「なんか…心配して損した気分よ…」 十真:「…ラミセルドのおっさん、どうして俺の…いや、フォルメントの代わりに受付をしてくれたんだ?」 十真はフォルメントを気遣うように視線を向けながら、不思議そうにラミセルドを見る。
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