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十真:「へーそうなんだ?」
十真(とおま)は頷くと自分の部屋を思い浮かべる。
フォルメント:「そんな感じで良いの?」
十真:「!?」
十真はビクッとなる。ふっ…と思い浮かべた瞬間、フォルメントは全てを見透かしたようにそう言ったからだ。
フォルメント:「あ…ごめんなさい…勝手に考えを覗いちゃダメね。でも一一トオマが私のパートナーに選ばれた時から私と貴方は一心同体になってるの」
そう聞いた十真は身体を起こして手をクロスにさせて胸を押さえる。
十真:「なんか…えっちぃーな」
フォルメント:「!!!、え、えっちくないわよっ…失礼な…」
フォルメントはポッと顔を赤らめる十真を見て彼女はあわてふためく。その様子を見て彼は笑う。
十真:「アハハハハハハ、…なんてな。ま…よろしくお願いします」
十真が笑顔でそういうと、フォルメントは右腕をブンブンと2回転させると何もなかった部屋が一瞬で自分の見知った部屋へと変わる。
十真:「おぉっ!、魔法って…バンザイっ」
その部屋にはベッド、タンス…といった必要不可欠のものが配置されていた。
十真:「…あれ?」
その中で十真が見慣れない物が一つだけあった。
出入口の右側の壁に『短いサーフボード』のような、『車輪が付いていないスケートボード』のような真っ赤なボディーに真っ黒な4本線が入っていた道具が置かれていた。
十真がそれに触れるとフォルメントは微笑む。
フォルメント:「…それの説明は私に慣れるまで待っててね♪」
フォルメントの言葉に十真は納得する。
十真:「あぁ…成る程、これはこっちの世界の代物か…。だからこれに見覚えがなかったのか」
フォルメント:「そういうことよ…ウフフフフ」
フォルメントは笑う。
初めて出会ったこの種族に『警戒』することもなく。
これが彼女達(妖精)の本質。こうして笹木野十真、18の夏にして一一新しい世界の一本を踏み出しはじめた。
< その日の夜 >
十真は向こうの世界では夜に来たので大きな欠伸をする。
フォルメント:「…トオマ、眠たいの?」
そう聞くフォルメントも眠たそうに目を擦る。
十真:「フォルメントも眠たそうだよ」
フォルメントは小さく頷く。
フォルメント:「私と貴方は一心同体…」
十真は微笑んでフォルメントに手を伸ばす。
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