第二章

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フォルメント:「出してあげたいけど…無理なのよー。あたしが出せるのは『物体だけで出しても味がしない』わよ?」 十真:「ぇー…んじゃ…俺…どうすれば良いんだ?」 十真(とおま)は悩む。この部屋にはキッチンも無ければ、冷蔵庫もない。 十真:「一一俺、飢え死に決定!?」 十真が気分が良くなったり、落ち込むのを交互にする姿を見てフォルメントは微笑む。 フォルメント:「クスクス…大丈夫よ、トオマ。あなた達みたいな召喚された種族の食べ物とか場所はこの施設内に完備されてるから」 十真はポカンとする。 十真:「施設?、ぇ…此処ってどっかの家なのか?!」 フォルメント:「家…は此処よ。貴方だけの家。私が言う施設は『家が集合している連絡場所』…かしら?」 フォルメントの言う施設は『眠らない溜まり場(レスト・センター)』という名前がある。 そこを中心とするように、十真のように召喚された種族達の家(ホーム)と家を繋げる場所。そこで彼等は仲間達と出会い、情報交換なんかを日々行う。 十真:「『眠らない溜まり場(レスト・センター)』…そこは簡単に行けるのか?、俺…昨日来たばかりなんだけど…」 フォルメントは微笑む。 フォルメント:「フフフ…この世界じゃ時間は関係ないわよ。後ね、あたしがいないと一一『眠らない溜まり場(レスト・センター)』は行っても意味ないわよ♪」 十真:「え?、そうなのか??一一フォルメントがいないと意味がない…ってどういう事?」 フォルメント:「あたし達…妖精はね、召喚された種族達の翻訳機みたいな役割もはたしてるのよ。一一やっぱり…異世界から来た者同士…言語は違うみたいよ?」 十真は「うーん」と唸る。 十真:「一一『宇宙人』か…俺、すげーっ!、人生初の宇宙人に遭遇!?」 フォルメントは不思議に十真を見る。 フォルメント:「ウチュウジン?」 十真は一人でテンションが高くなる。彼は不思議そうにしているフォルメントを見て、上着の左胸ポケットのボタンを外す。そして指を指しながらフォルメントを見る。 フォルメント:「…何よ」 十真:「此処においでよ」 十真はニマニマしながら満面の笑みをフォルメントに向ける。 フォルメント:「ぃ、い…いや…」 フォルメントに十真はぬぅおーと迫ると、彼女を優しく掴んで左胸ポケットに収容した。
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