第二章

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十真(とおま)は満足そうに笑うと、出入口の扉の前に立つ。 十真:「なぁ…フォルメント」 フォルメント:「…何よ」 フォルメントは拗(す)ね気味に十真を見上げる。 十真:「この扉って普通に開くよな?、そしたらその先にあるのは地獄でした…とか言わないよな?」 フォルメント:「フフフ…大丈夫よ♪、あたしがいる限り接続に失敗することがないからね」 十真:「接続?」 十真はフォルメントを見る。彼女は頷く。 フォルメント:「この扉には二つの出入口があるの。一つは『眠らない溜まり場(レスト・センター)』と、もう一つは一一まぁ…近々分かる事だから期待せずに待っててね」 十真は頭を掻く。 十真:「ぇー、教えてくれないのかー?」 十真は渋々(しぶしぶ)、扉を開け放つ。 < キィ… > 十真:「わっ…何だよ、これはっ」 扉を開くとそこには『光りの壁』があった。身体をのけ反らせると、フォルメントは十真のポケットを掴む。 フォルメント:「ちょっとーっ、あたしがポケットにいるのを忘れないでよーっ。落ちちゃうっっ」 十真はハッとして身体を元に戻す。 十真:「あ…ごめん…じゃなくて、これ…何?」 十真は光りの壁を指差す。 フォルメント:「?、ぇ…出入口よ?…あぁ…えっと一一説明がめんどくさいから入れば分かるわよっ」 十真:「ぇー」 十真はゆっくりと光りの壁に手を伸ばす。そして一気に入っていく。 < 眠らない溜まり場(レスト・センター) > < ざわざわ > 十真は目をつむって入ったのでゆっくりと目を開ける。 十真:「ぅわっ」 フォルメントは微笑む。 フォルメント:「ようこそ、『眠らない溜まり場(レスト・センター)』へ」 そこは、不思議な場所だった。十真はその空間に足を踏み入れた時、『地下街』を思い出した。 その空間は真っ黒な石で出来き、足元と壁はその石を敷き詰められていて、天井は恐ろしく高い。そして目の前には一筋の長い通りと、『半円』を模(かたど)った『光りの壁』が幾つもと正面と真横に繋がっていた。 十真:「うわぁ…」 十真の正面には明らかに人間ではない種族達が行き交い、立ち話をしている。
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