第二章

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視界に入る種族達は十真(とおま)と同じ、人間の形をしているが…どこかおかしい。 ある種族はお尻から長い尻尾と位置はおかしくないが長い耳が生えていて胸当てをし、ある種族は、原色の強いセクシーな服を着こなしていてふわふわの小さな尻尾、そして…ある種族は肌色が緑色をしていてトカゲっぽく、鋭い牙がチラリ。そして、豹のような斑点と毛並みがあり、しなやかな歩きをする種族…等がいた。 中には青色の狼のような獣が平然と闊歩(かっぽ)していた。 十真:「こ、これが…宇宙人…。人間と獣が足を並べて…」 彼等は真っ直ぐ歩く者と光りの壁に向かう者、そして普通の壁を見上げる二つに分かれていた。 十真:「…彼等は何を見てるんだ?」 十真は少し目線を高くして彼等の視線を追う。 十真:「あ…」 そこにはドドド…と音をたてる滝があった。その滝には『砂漠』の映像が流れ、何かの種族と土で出来た怪物と戦っていた。 彼等はそれを見ながら一一 種族①:「あーあ…その魔法じゃないだろ、そこは」 種族②:「ったく…これだから素人は…」 種族③:「多分…こいつは『初級止まり』じゃねーか?」 映像はそれぞれの滝で違い、近くにいた種族達は解説なんかをしていた。 十真がぼけ~としていると… 種族④:「コラッ…こんな出入口に立ったままボケッとするな」 十真の後ろから新たに種族が妖精と共に出て来た。彼が避ける間もなく、歩いていく。 十真:「わ…あれ?、俺の出入口から…」 フォルメント:「この光りの壁は貴方だけのではないわよ…フフフ。いちいち一つずつしたら数が足りなくなっちゃうわよ」 十真:「ってことは一一兼用?」 フォルメントが頷く。 フォルメント:「えぇ。後…彼等との争いは戦う以外ではどんな場所でも禁止よ」 十真:「了解、フォルメント。一一しかし…此処は広くて長い場所だなー。何で天井はあんなに高いんだ?」 十真が見上げると、部屋にあった『赤いボード』に乗った種族達がビュンビュンと飛び交っている。 十真:「わっ…あれは…」 フォルメント:「あれはこの世界で召喚された種族達用の移動道具よ。あたし達のように飛べないと一一戦いにならないからねー」 十真はへー、と言いながら見上げる。
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