第二章

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十真(とおま)は滝に映る映像や種族達を見ながら…真っ直ぐに歩いていた。 < ピキッ > その時、『眠らない溜まり場(レスト・センター)』の通路がピキッ…と空気が張り詰めるのが分かった。 < …ぺたり…ぺたり > その音は十真の正面から聞こえてくる。 フォルメント:「!」 フォルメントはバッと十真の胸ポケットに頭から潜る。カタカタカタと震えが十真に伝わる。 十真:「(…フォルメント?、…他の種族達も一一怯えてる…のか?)」 やがて前から種族を従えずに、一人の男が歩いてくる。彼の眼光はギラギラと輝き、背筋が伸びている。周囲の彼等は姿勢を低くしていそいそと道を開ける。 十真:「(…あれは…)」 十真が男をじっと見ていると、近くにいた人間が慌てて十真の頭を掴んで下げる。 男:「(馬鹿…そんなに『上級者』を見るやつがあるかっ)」 小声で十真を叱る。 十真:「『上級者』…」 その男が去ると、人間の男は再び十真を叱って去る。 十真:「フォルメント…あの人…何?、どうして彼等や君も怯えてるんだ?」 フォルメントは胸ポケットから頭を出す。 フォルメント:「…あの人は『誰よりも強く、誰よりも強い絆』を持ってる人。一一トオマ、『妖精を連れてない人』を見たら…視線を合わせちゃダメよ」 十真:「どうして?」 フォルメント:「どうしてもよ。一一これは暗黙の了解よ」 十真:「へー…暗黙の了解…」 十真は通りすぎた男の後を見た。彼は既に姿が見えなくなり、元通りの空間に戻っていた。 < 広場 > 目的地は今まで歩いて来た通路とは違い、広々とした空間だった。その部屋には転々と置かれている円卓の机を囲むように椅子が並べられ、種族達が囲み合い座っていた。 十真:「(…あの人達…同じ種族…なのかな?)」 十真は円卓の机に集うグループを見た。 フォルメント:「そうよ、トオマ。この世界では生き残る為にそうしていくしかないの。…でもね、それは所詮一一うわべでしかないのよ」 十真は自分の心を読まれた事に驚く。フォルメントはニコニコと笑う。
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