第三章

2/33

257人が本棚に入れています
本棚に追加
/1380ページ
< 砂漠 > 十真(とおま)は四方八方…見渡す限り、砂砂砂…という場所にポツンと立っていた。 十真:「…あの…此処は…どこですか?」 十真の空しい言葉は風に乗る。 < 眠らない溜まり場(レスト・センター) > 全ての始まりはゼファル達と別れ、部屋に戻ってきてからの話だった。 フォルメント:「トオマ…明日、対戦するからそのつもりでいてね」 十真:「おぅ…って、ぇ?」 十真はお風呂に入ろうと浴室のドアノブに触れる直前だった。彼はフォルメントに振り返る。 十真:「今…なんか『対戦』…って言わなかったか?」 フォルメントはクッションに横になって頷く。 フォルメント:「言ったわよ。やっぱり…早い方がいいんじゃないかって思って」 十真:「えぇっ!?、ちょ…ちょっと待ってくれよ。俺、これでもこの世界での生活…初日…」 フォルメントはニッコリと笑う。 フォルメント:「あら、大丈夫よ♪、だって今回はトオマの『階級なし』から『初級者』が協力して対戦するタイプだから」 十真:「ん?、今回は?」 フォルメントは頷く。 フォルメント:「『階級なし』は基本的に協力対戦。『初級者』からは個人的に対戦するようになってるの。『階級なし』はトオマみたいな来たばかりの人達だからね」 十真はうーんと唸る。 十真:「魔法とか使い方が分からないのに…大丈夫なのか?」 フォルメント:「フフフ…実戦経験すれば見様見真似で大丈夫よ♪、あ…怪我はするかもしれないけど…『死ぬことはない』から」 十真:「…うーん…不安だ…」 十真は頭を掻きながら、浴室へ入る。 < パタン > 一人になったフォルメントは十真が敷いてくれていたクッションの上で、ゴロンと横になる。 フォルメント:「…また…高みに目指すのね…」 彼女はふ…と懐かしいあの人を思い出す。 フォルメント:「(一一今度こそ…あたしは…)」 十真があがってきた時、フォルメントはクッションの上で小さな寝息をたてていた。
/1380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加