第三章

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十真(とおま)は対戦に備え、その日はフォルメントから魔法の最低限の知識を教わったが、現実から掛け離れすぎた事だったので困った。 < 翌朝 > 十真:「うわぁ…この日が来ちゃったよ…」 十真は出入口の扉の前に立っていた。彼の左胸のポケットにはフォルメント、そして右腕には黒い四本線の『赤いボード』が抱えられていた。 フォルメント:「まだ時間があるから…トオマはあたしとそのボードの訓練ね♪」 十真:「俺…スケボとか乗れないんですけど」 フォルメント:「スケボ???、うーん…ボードのことかしら?、ま…直ぐにコツは掴むと思うわ」 十真:「…だと良いけどなぁ…」 十真はぶつぶつと言いながら彼は光りの壁の中に足を踏み入れる。 < 外 > < …ビュゴーッ > 十真が出て来た場所は『断崖絶壁の出っ張り』だった。 そこから続々と召喚された種族達と妖精が飛び立ったり、戻ってきたりしていた。彼等はそのまま、光りの壁の中に吸い込まれていくが、十真のように『階級なし』のド素人は断崖絶壁の場所に立ち、赤いボードの練習をしていた。 十真:「ぅ…なんか格好悪い…」 フォルメントは左胸のポケットから飛び立ち、十真の頭を叩く。 十真:「いてっ」 フォルメント:「甘えた事を言わないの!、皆もちゃんとやってるでしょう!?」 十真は赤いボードに乗る彼等を見た。低く浮かび、フラフラとバランスを保とうとする。しかしバランスを崩して尻餅をつく。 十真:「…だなぁ…」 そして十真は『飛び立つ先輩達』を見た。 十真:「確かに…飛べたら気持ちが良さそうだよな」 それから十真は何度が尻餅をついたものの、小さい頃からの『平均台』という体操器具でバランスを取るのに慣れ親しんでいた日本人は、あっさりと慣れる。 < ふわっ… > 赤いボードはフォルメントの魔力で浮き、十真の操作センスで全てが決まる。 十真:「フォルメント、道案内…頼むぞ」 フォルメント:「フフフ…流石は『人間族』ね」 十真:「ぅ…族はいらないって…せめて俺は日本人と呼んでくれよ」 十真を乗せる赤いボードは低速ながらも、目的地へと向かう。
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