第三章

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< 砂漠 > 十真(とおま)とフォルメントは彼等と共に、砂漠の上を漂っていた。 十真は少し離れた場所で彼等を見回す。 十真:「(…人間以外の種族も混ざってるみたいだなー)」 そこにいたのは、人間、肌が緑色をしていてトカゲみたいな種族、全身が豹のように見える種族が浮遊していた。その様子を見たフォルメントがぽつりと言葉をもらす。 フォルメント:「今回の合同対戦は一一『ザイル族とレパード族』かー。ちょっと…不安ね」 十真:「ザイル族とレパード族?」 フォルメント:「あ…トオマは知らなかったわね一一あの緑の肌色をしていて、長い尻尾をしたのが『ザイル族』。そしてフサフサした毛並みと斑点が特徴をしたのが『レパード族』よ」 十真:「えーっと…トカゲが『ザイル族』で…猫っぽいのが『レパード族』…」 十真はうんうん…と頷く。 十真:「で…フォルメント、何が不安なの?」 フォルメントは彼等の階級を見抜く。 フォルメント:「今回は…『初級者』より『階級なし』が多いみたい。でも…『初級者』の中に『ウルフハウンド族やポアスティング族』が一人もいないって…種族の性質に不安が…ちょっとね」 十真:「なんかマズイのか?」 フォルメントは苦笑する。 フォルメント:「…冷静沈着な種族が欠けてるのが痛いわね。ま…大丈夫だとは思うけど…」 十真:「ふーん…」 十真はある位置に彼等が輪になるように集まるのを見下ろす。 トカゲのような『ザイル族』が砂漠から1番近いところに陣取り、豹のような『レパード族』がその真上に陣取り、そして人間がその上に陣取る。 十真:「…何が始まるんだ?」 フォルメント:「あれは『初級者』が土人形を呼び出す陣形なの」 十真:「土人形?」 フォルメント:「えぇ。…『階級なし』と『初級者』が戦うのは基本的に土人形よ。土人形は一時的に魂を魔法で呼び起こされて、暴れ狂うの」 十真:「一時的に呼び起こされて…暴れ狂う…」 フォルメント:「えぇ。…下が砂漠だから落下しても死なないんだけど…ちょっと危険だから落ちちゃダメだからね」 十真は頷く。
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