第三章

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< ふわふわ… > 赤いボードに乗った3つの種族が輪を描くように浮遊している。そこの雰囲気がピリリと張り詰める。 十真(とおま)のような『階級なし』は少し離れた高めの場所に陣取っている。 十真:「(いよいよか…)」 < ヒュォ… > 風がピタリと止まり、彼等が唱えるのを十真達が待つ。 初級者達:「一一古しえの契約において、今ここにその力を示せ…『土人形のお遊戯(カプティブ・シール)』」 初級者達は「~において」、で右腕を真横に伸ばし、「~示せ…」、で真上にその腕を向け、1番最後に輪の中心に向ける。 その動きは一糸乱れぬものだった。彼等の手の平からまばゆい光りが放たれると、中央に集中する。 < グゴゴゴゴゴ… > すると、地響きが辺りに響き渡り始めると、『初級者』が慌ててその場から散り散りに飛び散る。 十真:「あ!」 フォルメントの目つきが変わり、十真に叫ぶ。 フォルメント:「来るわよ!、トオマ…『土人形はもちろん、砂から目を離しちゃダメ』よ!」 十真:「了解っ!」 < ドパーンッ > そう言った瞬間、砂漠の砂が地中から噴き出し、砂柱を作り上げる。 初級者①(ザ):「来たぜぇ…『階級なし』ども…生き残れよぉ♪」 『ザイル族』の一人が長い舌を出してペロリと唇を舐めあげる。 初級者②(ザ):「今日の優秀者はオレだぜぇ…」 『初級者』の『ザイル族』が土人形が姿を現す前に魔法を撃ち込み始める。属性はバラバラで『水、火、土』だった。彼等は『風』を放つ者が誰もいなかった。 十真:「…あれ?、魔法を放ってる種族達は『ザイル族』だけか?…『レパード族』は…」 トカゲのような『ザイル族』は果敢にも魔法を放ち続ける。しかし豹のような『レパード族』は、彼等が放つ魔法を見てニタニタしている。 フォルメントは冷たい眼差しを『レパード族』に向けていた。 フォルメント:「…『レパード族』は基本的に魔法や技術を盗み、活かすの。『ザイル族』は好戦的なのに対して、彼等はどっち付かずみたいな感じね」 十真:「へー…って、あっ!」 頷きかけた時、何度か砂漠の砂が砂柱を作る。バシュッバシュッ…という間隔が短くなり、その中央から…右腕、頭、左腕、上半身…と砂で出来た土人形が身体を出して来た。それは上半身を出すと近くにいた彼等を襲い始めた。
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