第三章

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しかし、流石は初級者。落下している者はごく僅かだった。 初級者(ザ):「ちっ…しゃーねーな…此処は一気に片を付けるか!」 初級者の『ザイル族』はそう呟くと、右腕を強く後ろに引く。すると、彼の妖精の身体が再び光り輝く。 初級者(ザ):「よっしゃ、オレの見せ所だぜ!、『水の拳(ワープ・フィスト)』」 < ぱあぁぁぁ… > 初級者の『ザイル族』が唱えると、右手の拳(こぶし)が水に包まれる。それを確認した『ザイル族』が赤いボードを一気に急加速させて土人形の真上に突っ込んでいく。 < ピクッ… > 土人形は動くものに反応するため、近づくその『ザイル族』に攻撃を繰り出していくが、その攻撃を『ザイル族』は軽々と避けていく。 右左とパンチを繰り出していたが、やがて、土人形は『ザイル族』の死角を突いた攻撃を繰り出す。それは『ザイル族』のスピードに合わせるように、土人形の右腕がグニュッと曲がる。 十真:「危ない、左の後ろに一一」 土人形の懐に飛び込んでいく『ザイル族』はニタリと笑っている。 その『ザイル族』はトカゲのような大きな尻尾を使って弾き飛ばす。 初級者(ザ):「オレ達のような種族の背後を簡単に取れるのは当代・妖精王ぐらいだぜぇ♪」 土人形の近くまで来た『ザイル族』は赤いボードを蹴り上げると、そのまま土人形の胸に目掛けて『水の拳(ワープ・フィスト)』を食らわせる。 < バシュッ > 『水の拳(ワープ・フィスト)』を受けた土人形の身体は散り散りになったが、水を含んだ砂は砂嵐にはならずに、大きな穴を開けたまま修復されない。 < がすっ… > 砂漠に着地した『ザイル族』は土人形の様子を見て、同胞や彼等にガッツポーズでアピールする。 初級者(ザ):「…よっしゃーっ!」 土人形:「………」 土人形は穴が開いた身体のまま、カタカタ…カタカタ…ガタガタガタと震え出す。最初は小刻みに、それはやがて大きな動きになっていく。 初級者(ザ):「な…」 初級者の『ザイル族』はやがてそれに気付き、目を丸くする。穴が開いた胸は、周囲の砂を集めて小さくなっていく。
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