第三章

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< 眠らない溜まり場(レスト・センター) > 断崖絶壁に戻ってきた十真(とおま)はあの光りの壁に向かって突っ込んでいく彼等を真似して突っ込んでいった。 < 十真の部屋 > そこは直ぐに繋がっていて、身体に付いていた砂が部屋に落ちて砂まみれになる。 十真:「あ…掃い忘れてたよ…どうしよう…フォルメント」 フォルメントは微笑むと、指をパチンとすると部屋と身体が綺麗になる。 十真:「おぉっ」 十真が目を輝かせる。 そしてそれから直ぐにお風呂に入ると、今日の対戦を思い出しながら身体を休ませるようにして眠った。 フォルメント:「………」 フォルメントは十真のクッションに上半身を乗せ、腕を組んでそこに顔を置いて俯(うつぶ)せになっていた。 フォルメント:「(…何事もなく済んで…本当に良かったわ)」 彼女は心身的なものからくる疲れに負けた十真を眺める。 フォルメント:「(もう…誰も…、誰もパートナーなんか持たないつもりだったのに一一)」 フォルメントは今回の対戦で昔の記憶が蘇る。ズキン…と痛むその気持ちを押し殺しながら、十真の左胸ポケットの温もりを思い出しながら彼女は目を閉じる。 < 数十分後 > 十真:「…フォルメント…フォルメント…」 十真はすっきりとした表情をしてフォルメントの名前を口にする。 十真:「…しっかし…よく眠ってるなぁ…そんなに疲れてたのかなー」 十真は膝を折ってフォルメントの顔を覗き込む。 フォルメント:「すぅ…すぅ…」 可愛い寝息と寝顔に十真は思わず微笑む。 十真:「(妖精かー…本当にちっこいのに俺より頼りになるなー)」 十真は改めてこの世界を体感したことによって、異世界なのだと実感した。 十真:「(今回のはあのクレイフィン…じゃなくて…えっと…ぽぽぽ…『ポアスティング族』!、そうそう…あの人がいなかったら絶対にやばかった!)」 十真はあのカッコイイ槍使いの種族を思い出して興奮気味に、その場で『土人形に真上から槍を突き刺す真似』をする。 十真:「(くぅーっ、カッコイイや…また会えると良いなー)」 ほわほわとした感覚の中で十真はのほほんと和む。
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