第三章

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フォルメント:「どこに行くつもりなの?」 フォルメントは十真(とおま)に聞く。十真は彼女を見る。すると彼は頬を赤らめながら言う。 十真:「やだー、口に出さなきゃ分からないのぉー?…俺達、パートナーでしょーぉ?」 十真の口調としなやかな動きにゾワリ、とフォルメントの背筋が凍る。 フォルメント:「と、トオマ…急に…どうしたのよ…」 フォルメントは彼の手の平から後ずさる。それを見た十真は一人で大笑いする。 十真:「アハハハハハッ、別にー…ただ君を試したかっただけ…?」 フォルメント:「試す?」 十真は頷く。そしてニヤリと笑う。 十真:「だって俺達はパートナーなんだろ?…以心伝心だってフォルメントが言ったじゃないかー」 フォルメント:「…以心伝心…というか、一心同体…。似ているようで違うってば。まだトオマの考えは分からないってば」 十真:「そうなのか?」 と、その時…グゥ…と十真のお腹の虫が鳴く。 十真/フォルメント:「あ」 二人は顔を見合わせると、クスクスと笑う。 フォルメント:「成る程…今の貴方の心なら読めるわよ?」 十真:「なんだよー、狡(ずる)いってば」 そしてフォルメントは十真の左胸ポケットの中に身をおさめると、部屋から眠らない溜まり場(レスト・センター)の通路に出る。 < 通路 > 十真:「相変わらず…通路には人が多いなー」 フォルメントはちょこんと左胸ポケットから肩から上が出ていて、ポケットの縁に手を置いて辺りを見回す。 フォルメント:「そうね。やっぱり…此処は連絡場所であって、対戦相手をさがしたりする場所だからね」 十真:「対戦相手?、俺達が戦うのは土人形だけじゃないのか?」 十真がフォルメントを見ると、彼女は見上げる。その表情は苦笑していた。 フォルメント:「土人形は訓練の一つだから…」 十真は「ふーん…」と言うと周囲を見回す。そして再び正面を見ると、フォルメントに聞く。
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