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フォルメント:「あたしが書いても良いんだけど、どうする?」
十真:「…俺でも書けるのか?…こっちの文字とか分からないんだけど…」
十真の言葉を聞いた受付妖精が言う。
受付:「問題ありません。その用紙に書かれたものは共通言語に変換される特殊な用紙です」
十真はおずおずと用紙に記入し始める。フォルメントが十真を綺麗に誘導しながら書いていくと直ぐに終わった。
それを受付妖精が受け取ると、シュンッと縮まり記入もれがないかを確認してから投函口に投入する。
< 通路 >
用事が済み、十真とフォルメントはそのまま『眠らない溜まり場(レスト・センター)』に向かう。
< 眠らない溜まり場(レスト・センター) >
十真はフォルメントを左胸のポケットに入り込むのを確認すると、念じながら通路を歩き、少しして眠らない溜まり場(レスト・センター)にたどり着く。
十真:「えーっと…どこが空いてそう?」
十真はフォルメントを見ると、全体を見渡すためにパタパタと翼を羽ばたかせながら浮き上がる。するとしばらくして一一。
?:「おーい!、ほらな!、やっぱりアイツじゃねーか」
元気な声がどこからか聞こえてきた。十真は辺りを見回すと、フォルメントが彼の真横で待機する。
?:「おーいっ!、えっと…名前…何だったかなぁ一一あっ、トーマだ…トーマ~っ」
十真は『トーマ』と呼ばれてムッとする。彼は『とおま』であり、『とーま』と長く呼ばれる事が苦手である。
十真はフォルメントを見る。
十真:「フォルメント…やっぱり帰ろーか」
フォルメント:「え?…でも…」
フォルメントが戸惑っていると、声の主が向こうから飛んで来た。それはゼファルの妖精の真っ赤な髪が逆立つシンザスだった。
十真は踵を返すと出口に向かう。するとパタパタとシンザスが近くにきた。
シンザス:「トーマ!、何で無視すんだよー…聞こえてたはずだろ?」
シンザスは片腕の肘で十真の胸を突く。十真は嫌そうに眉間に皺を寄せる。
十真:「…俺は『とーま』と呼ばれる事が苦手なんだよ。っていうかさ、ゼファルの人は…ほっといていいのか?」
シンザスは不思議そうにフォルメントを見る。
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