第三章

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それからティニーは十真(とおま)のほうを見る。 ティニー:「そういえばトオマ…さっき言ってたけど…よくフィンだって見抜いたよね…かなり離れてたんじゃないかな?」 十真はフォルメントを見る。 十真:「そうだったかなー?」 フォルメント:「かなり離れてたみたいよ。あたしでも分からないくらいだったから」 シンザスはティニーにぼぉーと見とれる。 ゼファル:「へー…クレイを見抜けるとか凄いんだね、トオマって」 ゼファルはニコニコと微笑みながら頷く。 十真:「そうかなー…でもそう言われたら…なんかクレイフィンだって確信を持った俺に驚いてきた」 それから他愛のない話をして十真とフォルメントは眠らない溜まり場(レスト・センター)を後にする。 < …………………… > < 十真の部屋 > 十真は部屋に戻ってふわふわとした気持ちを抱いたまま、お風呂に入る。 その間にフォルメントはこれまでの対戦を自分なりに見直しながら、複雑な心境のまま彼女もお風呂に浸かる。 < 浴室 > < シャー… > 十真はシャワーを顔から浴びながら彼は呟く。 十真:「(明日…本当に俺の初めての対戦かぁー…どうなるんだろう?)」 < ちゃぷん… > フォルメントは浴槽に膝を組んで鼻まで浸かる。 フォルメント:「(…お願い…どうか無茶な行動だけはしないで…)」 二人はゆっくりと目をつむる。 < 翌朝 > 十真は妙に頭が冴(さ)えていた。彼は額に右腕を置いて天井を見上げていた。 十真:「………」 < パタパタ… > 微かな羽音が十真の耳に入る。 フォルメント:「一一トオマ?、眠れないの?」 フォルメントの心配そうな声が耳に届く。 十真は身体を起こそうとしたが、肩側からフォルメントが顔を覗かせる。 十真:「!、フォルメント…起きてたのか?」 フォルメントは微笑む。 フォルメント:「…トオマの不安な気持ちがあたしに伝わっちゃったみたい」 そういってフォルメントは十真の頭を撫でる。撫でられた十真は彼女の僅かな温もりを感じ、ホッとする。 十真:「…フォルメント…俺…」 スッ…と十真の唇にフォルメントが手を伸ばして塞ぐ。 十真:「!、フォル…メント?」 フォルメントは微笑む。
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