第三章

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十真(とおま)はフォルメントの言葉を胸や頭に刻み込むと、再び辺りを見回してみた。 地上には小さな土人形が一体、空中にはトカゲのようなザイル族、豹っぽいレパード族、そして人間だった。 そこにはゼファルやクレイフィンのウルフハウンド族やポアスティング族の姿はない。 十真:「(…今回も昨日と同じ面子かー。あの二人の種族は…少ないのかなー?)」 十真がそう思うと、頭の中に突如…フォルメントの声が聞こえてきた。 フォルメント:「(ウルフハウンド族とポアスティング族は…元々、同族と行動を好み…他人の力を借りようとはしない種族だから…階級なしにほとんど姿はないわよ)」 十真:「わっ」 十真はビクッと身体をびくつかせる。彼はフォルメントを見た。 フォルメントはニコッと笑う。 フォルメント:「私と貴方にはこんな通達方法があるのよ♪…対戦中とかはこっちのほうが便利だから…早く慣れなさいね」 十真:「(へぇー…)」 十真が頷いていると、チカチカと光りが視界に入ってくるのに気付く。 十真:「ん…何だ?」 振り向くと、そこには彼等が魔法を土人形に放とうとしていたり、放つ姿が見えた。その中には魔法をどうやって放っていいか迷う姿を確認できた。 フォルメント:「ほら…トオマ、ライバル達が対戦を始めちゃってるわよ♪…倒せ、とは言わないから…今回は魔法を『きちんと』発動させれるようにねっ」 フォルメントがウインクする。 十真:「アハハハ…」 十真は苦笑混じりに笑う。 < 数分後 > しばらく十真は、彼等の動きを観察していた。 十真:「(………、あの中には昨日の対戦に参加してたみたいだ…ザイル族の『水の拳(ワープ・フィスト)』を見た人がいるっぽいなぁ…)」 参加しているザイル族は『水の拳(ワープ・フィスト)』が有効的な攻撃方法だと、昨日の対戦や通路にある滝に浮かぶの映像から知った彼等が真似をしているようだった。
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