第三章

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しかも彼等は完璧にその魔法を真似ることは出来ていなかった。 水を呼べても…身体に纏わせる事が出来ない、纏わせる事が出来ても…一定の形を保てない、形が保てても…土人形に攻撃を仕掛ける勇気が持てない…。 といった問題を抱えていた。やはり、ザイル族の勇猛な特徴があっても…対戦に慣れていない彼等の強さは活かせない。 寧ろ、ザイル族より…レパード族が生き生きとしていた。 レパード族①:「ぃやっほぉ~♪」 レパード族②:「ヒュー、やるねー♪」 レパード族③:「負けてられないなー♪」 彼等は魔法を放つよりも小さな土人形の周囲を飛び回ったりして、おちょくっていた。 フォルメント:「流石はレパード族ね。…彼等のあの楽観的な性格…特徴の一つね…」 十真:「(あれは…完全に遊んでいる?…あれで…良いのかなー)」 ハエが食べ物にたかるように、豹のようなレパード族が飛び回るのを見た十真は呆れる。 フォルメント:「(ああ見えて…彼等は優秀よ。昨日の対戦で他の人の技術を盗むプロって言ったけど…盗まなくても彼等はちゃんとやれる実力を持ってるんだけど一一あの性格だから…)」 フォルメントは言うのを一瞬だけためらいながら、十真に「レパード族はもとから魔法が扱える種族なの」と伝え…彼は驚愕する。 フォルメント:「(まぁ…レパード族も問題にするのもいいけど…問題はトオマの種族…かな?)」 十真は人間達を見る。彼等達にとっては魔法が何か分かっていても、扱えない。 十真:「(そうなんだよなぁー…知識がそこそこあっても…ファンタジーは結局は夢幻(ゆめまぼろし)…そこに俺達が確かに存在していて…発動しなくちゃ一一あっ、そうか!…RPGみたいな魔法を…)」 十真はふっ…と思いついた魔法を脳裏に浮かべてみた。 それは銀河系から星を適当に選び、空から隕石として降り注ぐような隕石群だった。ちらりとフォルメントを見てみると、彼女はあわてふためく。 フォルメント:「(い、良いアイディアだけど…そんな魔法…彼等に当たっちゃうし、まだ貴方の身体にある魔力に身体が慣れてないから…大変なことにっ。それに…まだその魔法には穴が…)」 十真:「(ちぇっ…)」 十真は期待していた分、ちょっと落ち込む。彼は彼等の魔法を見ながら、発動出来そうな魔法を考え込む。
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