第三章

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十真(とおま)が考え込んでいる時、少し離れていた彼等達のグループが僅かに様子が変なのに周囲の別の彼等が気付く。 十真:「(…何だ?、フォルメント…なんか様子が…)」 フォルメントも気付いていたのか、彼等を見つめる。 まだ気付いていない一部の彼等は魔法を放ったり、魔法というものを考え込んでいた。 < パチパチ… > やがて、様子が変な彼等がその場から飛び散るのが見えた。それを見たフォルメントの顔色を変える。 フォルメント:「まさか一一」 十真はキョトンとしている。 そこに残されていたのは自分と同じ人間で年が少し近い女の子。彼女は両腕で肩を抱きながら俯(うつむ)きかげんに、下を向き、息を荒げていた。 女の子の妖精はそんな彼女を見てカタカタと身体を震わせていた。 妖精:「あ…っ…あっ…どうしよう…」 そう呟くだけで、どうしていいか分からない妖精は見つめることしか出来ない。 十真:「フォルメント!、あの子は一体…どうしたって言うんだ!?」 フォルメントの顔色は悪かった。 フォルメント:「…あれはあたし達が最も恐れていたこと。さっき貴方の考えた魔法をあたしが止めた理由よ。一一あの人間の想像力が自分の妖精の力を超えてしまったか、妖精の力に彼女が順応しきれなかった拒絶反応を示した時に起こる現象。…『容量超過(エクシス・キャパシティー)』よ」 十真:「エクシス…キャパシティー」 十真は人間の女の子を見入る事しか出来ない。下では現状を知らずに土人形と戯れるレパード族達がいた。 女の子:「ぅ…はぁはぁ…な…何よこれ…やだ…気持ち悪い…」 女の子はフォルメントが言った『容量超過(エクシス・キャパシティー)』の説明の前者だった。 フォルメント:「(…トオマ、よく見てなさい。…あれが稀にいる力を持ちすぎた人の苦悩の一つよ)」 十真は「え?」とフォルメントに振り向いた瞬間、あの女の子は「いやぁぁぁぁぁっ」と頭を抱えて叫ぶ。 下にいたレパード族達は驚いて空を見上げ、彼等の妖精達がその場を離れる指示を出す。 女の子が叫んだ瞬間、彼女の周囲にあった空気が衝撃波を生み、近くにいた妖精を含む彼等を吹き飛ばす。
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