第三章

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レパード族①:「ウヒョーッ、…やるねー♪」 レパード族は女の子の魔法を見てテンションが上がる。 レパード族①は火が点いている小さな土人形を見てニヤリと笑う。 レパード族①:「キキキッ…まだまだだねー…魔法を放つなら…やっぱり…威力重視でしょ♪」 レパード族達はレパード族①が何をするか本能的に察し、早々とその場から離れ、彼よりもかなり離れた空に逃げる。 十真:「…あれ?」 そんなレパード族達を彼等が不思議そうに見上げる。そしてレパード族達の視線を追い、レパード族①に気付く。 レパード族①は長い尻尾を左右に振りながら、何か歌を口ずさむ。 レパード族①:「チクタク♪チクタク、チチチのチ~♪…今日~の魔法は何だろな~♪」 彼の妖精は考えを察知すると、身体が光り輝きはじめる。そして… 妖精:「『容量増幅(アンプリフ・キャパシティー)』!」 そう唱えると、両手を胸に当てて広げる。光り輝いた身体から淡い光りがレパード族①の身体を包み込む。 レパード族①:「おぉっ、身体から漲(みなぎ)るパワーっ」 そう言うと、長い尻尾を前に持ってきて右手で何本か掴むと勢いよく引っこ抜く。 < プチッ > レパード族①:「アイテッ…えーっと…今日の本数は…1、2と3…5本!」 ニヤリと笑うと、摘んだ指を口元に持ってくる。そして下にいる小さな土人形に向かって、「ふぅ…」と吹き飛ばす。 吹き飛ばされた5本の毛はヒラヒラと小さな土人形の元に落ちていく。やがて一定の距離にいくと垂直になり、グググ…と針のように毛がピンッとなる。針のようになった毛は小さな土人形の周囲を囲むようにシュトトト…と瞬く間に一定の間隔を空けて砂漠に突き刺さる。 < ブゥン…ぴたっ > 小さな土人形はウネウネと動いていたが、突然…ぴたりと動きを止める。 それとほぼ同じくして、垂直に刺さった毛がグンッと巨大化し、魔法陣を砂漠に描いている。 レパード族①:「…『禁断の遊び(トリフル・フェイト)』の完成♪…なーんだ…簡単に決まっちゃうなんて…拍子抜け…キキキッ」 『禁断の遊び(トリフル・フェイト)』はレパード族の特有魔法。楽観的な彼等だが、自分より魔力や能力が低い相手の動きを奪う魔法。 レパード族と対戦するなら1番、気をつけなければならない魔法である。
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