第三章

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『雷撃砲火(ブロウ・ランチャー)』の威力と音に驚き、誰もが振り返る。『土人形のお遊戯(カプティブ・シール)』の契約が解かれる。 < ブワッ > しかし、小さな土人形からの最後の攻撃がレパード族①の魔法の威力に混じり合いながら、十真(とおま)達に牙を剥(む)く。 男:「ぅわーっ」 女:「きゃーっ」 『雷撃砲火(ブロウ・ランチャー)』が激突した砂漠の大地はめり込み、その部分にあった砂が空に舞い上がる。 舞い上がった砂が風に舞って十真達の視界を遮り、判断を狂わす。方向感覚を失った彼等はお互いにぶつかり合ったり、慌てて避けたせいでバランスを崩して落下していく。 妖精達は彼等と同じようにパニックに陥ってしまい、パートナーと逸れてしまう。必死に安否を確認しようとしても、所詮は階級なし達だったので上手く意思疎通が出来ない。 そんな中、十真とフォルメントは必死にお互いをさがしていた。 フォルメント:「(トオマっ、無事!?、無事なの?!)」 十真:「(フォルメントか??、これは一体…うわっ)」 十真は四方から向かってくる赤いボードを避けながら、フォルメントと話す。 フォルメント:「(トオマ!!)」 フォルメントの心配そうな声が頭に響く。 十真:「(大丈夫…なんだけど…これは…?)」 フォルメント:「(分からない…でも、このまま此処にいるのは危険だから…下で落ち合うましょう!)」 十真:「(了解!…フォルメント…気をつけろよ)」 フォルメントは十真の言葉に微笑む。 十真は真っ直ぐに真下に向かっていた。彼はフォルメントと再会することしか頭の中になかった。たまたまこっちに向かって来ていた種族に気付かなかった。 < ぶわっ… > 視界の端に映る黒い影。十真の目は大きく見開かれる。 < どんっ… > 十真:「ぅわあああああっ…そんなーっ、嘘だろ~っ!?」 十真は赤いボードからバランスを崩し、背中から真下に落下していく。ぶつかってきた相手は何事もなかったように妖精をさがしに行く。 十真:「一一っっっっ」 十真は乗り手を失った赤いボードと共に、砂漠の大地へと落下する。
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