第四章

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十真(とおま)は家(ホーム)に戻ってきてゼファルと別れ、直ぐに自室に戻って疲れを取る。 十真:「…Zzz…」 シャワーを浴びてから十真はスゥ…と泥のように眠った。 今回の対戦では生死の際を体験した彼にとって、普通のそんな日常生活の行動の一部が癒しとなる。 フォルメント:「………」 フォルメントはパタパタと羽ばたきながら、ぐっすりと眠った十真の傍に行く。 彼女は枕元に降り立つと彼の表情を覗き込んで微笑む。 フォルメント:「一一お疲れ様…トオマ。よく無事で戻ってきてくれたわね…ありがとう」 その労(ねぎら)いの言葉はスゥ…と消えていくが、想いは彼にきちんと届く。 < 翌朝 > 十真:「ぅ~~んっ」 十真は身体を起こして背伸びをする。彼は首を左右にコキコキと鳴らすようにストレッチをするが、音は鳴らない。 フォルメント:「…すぅ…」 十真:「ん?」 その時、聞き慣れた音が近くで聞こえたので十真は不思議そうな顔をする。 彼は辺りを見回し、フォルメントの眠っているクッションを見た。 十真:「(…あれ?)」 そこにはフォルメントの姿はない。 十真は耳を澄ませて寝息が聞こえる場所を見た。そこは自分の枕元だった。 フォルメントは身体を縮こまらせて猫のように眠っていた。思わず十真は微笑んでしまう。 十真:「(…寒いだろうに…)」 十真は自分の掛け布団をフォルメントが苦しくないように工夫しながら身体に掛ける。 フォルメント:「…むにゃ…」 掛け終わるとフォルメントは「むにゃ」と言って気持ち良さそうに身じろぎをする。 十真:「(…可愛いなぁ…)」 十真は容姿だけではなく、動きで誉める。 < 数分後… > フォルメント:「!!!!!!」 フォルメントは目が覚め、固まっていた。 何故なら目の前に十真の顔があり、半抱擁状態だったからだ。 フォルメント:「(なななな、何よっこの状況はっ…)」 フォルメントは眠っている十真を見て、徐々に落ち着いていく。 フォルメント:「(…良く眠ってるわよね)」 フォルメントはそういって、十真の鼻の頭をピンッと指で弾く。
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