第四章

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十真:「あいたっ…、~っ…何だよーもう少し可愛く起こせないのかよー」 フォルメント:「!?…あ…起きちゃったっ」 十真(とおま)の不機嫌そうな表情を見てフォルメントは焦る。 十真は額を押さえる。 十真:「あ…起きちゃった!?…じゃないよー。まぁ…いいや。…よく眠れた?」 フォルメントは頷く。そして掛け布団を指差す。 フォルメント:「…ありがとう、トオマ」 十真:「おぅ…」 十真とフォルメントはしばらくベッドの温もりを貪(むさぼ)っていた。それから一時して眠らない溜まり場(レスト・センター)に向かう。 < 眠らない溜まり場(レスト・センター) > 通路を歩いて行動する十真、左胸ポケットに収容されたフォルメント。二人がその広場にたどり着くとごく自然と『彼等』をさがす。 十真:「…今日もいるのかなぁ…」 十真が辺りを見回していると、元気な声が聞こえてきた。 ??:「トオマーっ、こっちだこっち!」 それはゼファルの頭の上でぴょんぴょんと跳ねるシンザスだった。 ゼファルはニコッと微笑み小さく笑う。 十真とフォルメントは彼等に近寄ると空いた席に座る。 クレイフィン:「トオマ、身体のほうは大丈夫なのか?…ゼファルが間に合ってよかったよ」 ポアスティング族のクレイフィンの言葉にティニーが何度も頷く。 ティニー:「もう、シンザスがバシバシとゼファルを叩いて…大変だったんだから…。でも久しぶりにゼファルの『あの顔』が見られたから…ちょっと嬉しかったなぁ…」 十真とフォルメントはゼファルとシンザスを見た。 ゼファルは照れ笑いを浮かべ、シンザスは頭を抱えて身もだえる。 フォルメント:「あの時は本当にありがとう、ゼファル。貴方がいなかったら…トオマは…」 ゼファル:「アハハハハ…なんか自分の中にあるウルフハウンド族の血が俺を掻き立てちゃって…あのあと…クレイとティニーに怒られないか心配だったんだよね」 ゼファルは苦笑する。 クレイフィン:「…何故私がお前を怒らなければならないんだ?」 クレイフィンは不思議そうにゼファルを見る。
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