第四章

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クレイフィン:「あの対戦は階級なしだけの集まりだ。特に罰せられる理由はないはずだ。…実際、ゼファルの他にも後で駆け付けた種族達がいたようだったぞ」 十真(とおま)はクレイフィンの言葉に頷く。 十真:「それは俺も戻ってくるときに確認してたから知ってるよ。…でもあの流砂には驚かされたなぁ…」 シンザス:「確かに…トオマの生存には驚かされた」 シンザスがそういうと、フォルメントが睨む。 フォルメント:「あたしは驚かなかったわよっ!…トオマが…なんてことは…」 フォルメントがそういうと、身体をフルフルと震わせる。 ティニーが慌てて彼女に駆け寄ると肩を抱くように背中に手を回す。 ティニー:「シンザス…貴方…ちょっと言い過ぎよ…フォルメント、もう大丈夫だから…ね?」 フォルメントはティニーの優しさに胸が温かくなる。 そして十真がフォルメントに手を伸ばしてティニーごと彼女を掬い上げる。 フォルメント:「わっ…」 ティニー:「きゃ…」 十真は二人を間近で見つめると微笑む。 十真:「ありがとう、フォルメント。俺…早く魔法とか力を付けなきゃいけないなって思ったよ。…ティニー、本当に君は…シンザスに勿体ないなーアハハ」 ティニーがその言葉に頬を染めると、シンザスは近くにいたゼファルの頬を思いきりガスッと拳で殴る。 ゼファル:「…ブフッ…ななな…何事!?」 ゼファルは頬を押さえて目を白黒させる。 シンザス:「お前はオレだけ見てれば良いんだよーっ」 ティニーへの言葉をゼファルに向かって吠える。 十真/フォルメント:「???」 十真とフォルメントはシンザスの行動に驚いていた。ティニーは小さなため息を吐く。 クレイフィンは特に何も気にすることなく手元にあった飲み物を口にする。 ティニーが十真の手から飛び立つと、シンザスの傍にいってジィーッと見つめる。 シンザス:「な、何だよぅっ」 シンザスは恥ずかしそうにそっぽを向く。 ティニー:「ゼファルにあんまり乱暴しないでよね!、…私には貴方しか眼中に無いっていうのに…」 シンザス:「ぅ…分かってるけどよ…」 シンザスがティニーのほうを振り向く時…「ちゅっ」とティニーが彼の頬に唇を当てると、ニコッと微笑む。
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