第四章

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ティニー:「…あんまり嫉妬しすぎるのも…身体に毒だよ?」 シンザスはパクパクと口を動かす。 十真(とおま)、フォルメント、ゼファルはニタニタと笑う。 十真:「あのシンザスもティニーの前では骨抜きなんだなぁ」 ゼファル:「…ま、そこが可愛いんだけどね」 ゼファルの言葉に十真が振り向き、二人は微笑む。 それを見たクレイフィンが少し呆れた様子でそんな二人を見ていた。 クレイフィン:「…趣味が悪いな」 そう呟く彼女の口元は小さく微笑んでいたが、口調からはそれは分からなかった。 やがて、シンザスが落ち着きを取り戻した頃、十真はゼファルとクレイフィンに聞く。 十真:「今度さ…今後の為に二人の対戦を俺、見たいなって思ってるんだけど…どうかな?」 十真はそういってゼファルとクレイフィンを見た。彼等の妖精達は自分達のパートナーを見上げる。 するとゼファルとクレイフィンはお互いを一瞬だけ見合うと、クレイフィンが口を開く。 クレイフィン:「別に構わないが…個人的には対戦に出る予定はずっとないな。まぁ…参考になるか分からないが…ゼファルの対戦を見て損はしないはずだ。一一トオマ、どうする?」 十真の表情が明るくなる。 十真:「本当か!?、ありがとうっっ…いいだろ?、フォルメント…いつ見に行く??」 フォルメントは十真の様子を見てクスリと笑う。 フォルメント:「そんなに慌てなくても…相談してくれたらいつでも見せてあげたのに」 十真:「あ…っ」 十真はハッとする。ゼファルとクレイフィンに相談する前に、フォルメントに相談するのを忘れていた。 するとフォルメントは苦笑混じりに笑うだけだった。 ゼファル:「ぇっ?!…俺の了承無しに話が進んじゃってるっ…シンザスぅ~っ」 ゼファルが涙目になるとシンザスが腹を立てる。 シンザス:「弱気になるなっ!、お前ごときの実力だったら…初級者は全く歯が立たないって」 シンザスの言葉に十真が目を丸くする。
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