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< 夜 >
< 十真の部屋 >
十真:「くぅー…くぅー」
十真(とおま)はベッドで気持ち良さそうに眠っていた。
フォルメントは十真のクッションの上にちょこんと座り、無表情に近い表情で彼を見つめていた。
フォルメント:「(…この日を…またパートナーと過ごすことになるなんて…思ってもみなかったわ)」
フォルメントは十真の前の『ミハル』こと『深晴』を思い浮かべる。
フォルメント:「(ミハル…やっぱり…新しいパートナーを持っても…貴方の事が懐かしく思うの…。…トオマのことは決して嫌いじゃないわ…やっぱり…あたしのパートナーだから…。…あぁ…)」
フォルメントのため息と共に胸がツキンと痛む。
その時、部屋の中にあった空気が…キィーンと張り詰める感覚になる。
フォルメント:「!」
その瞬間、十真や召喚された種族達が一瞬にして動きが止まる。
呼吸はあるものの、凍ったように身動きすらとらなくなる。
フォルメント:「…集まりの時間…か」
そう呟いた瞬間、フォルメントの身体がポォ…と淡く光り輝く。
< キィ… >
するとゆっくりと出入口が開き、クッションを飛び立つ。そしてその中に入っていくと扉が閉まる。
< 眠らない溜まり場(レスト・センター) >
いつもなら召喚された種族と妖精達で溢れたその場所は、妖精達で敷き詰められていた。
召喚された種族が座る椅子に妖精が座ることはなく、彼等は机の上で座ったり立ったりしていた。
フォルメントが姿を現した場所はその出入口。彼女が姿を現した瞬間、眠らない溜まり場(レスト・センター)にいた空気が変わる。
妖精(♀)①:「…来たわ…噂は本当だったのね」
妖精(♂)①:「…同族の恥さらしが…」
妖精(♀)②:「一一私達の最高の目的を逃がした残念な子が来たわ」
妖精(♂)②:「…またパートナーを取ってたんだな」
あちこちでフォルメントの噂をする。彼女は無表情で出入口の側に佇(たたず)んでいた。
?:「一一チッ」
それに気付いたある妖精(♂)が舌打ちをする。
?:「おい、こんなところで何をやってんだよ」
フォルメント:「!」
フォルメントは声を掛けて来た人物を見て目を丸くする。
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