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不機嫌丸だしのシンザスがフォルメントを見下ろしていた。
フォルメント:「…シン…ザス?」
シンザス:「ったく…お前はどこにいてもオレの視界に入り込む天才なんだな」
シンザスは呆れていると、ティニーが彼の背中をドンッと押す。
シンザス:「わっ」
ティニー:「…ちょっと…何、フォルメントをいじめてるの?」
シンザス:「ティニー!…いじめてなんか…」
ティニーはフォルメントに微笑む。
ティニー:「皆で居るときに話し合っておけば良かったね…『一緒に行こ』って」
フォルメント:「ティニー…ありがとう…でも…あたしは…」
フォルメントはモジモジと身体を揺らす。
それを見たシンザスが頭を抱える。
シンザス:「ぅわー、超うざーっ…オレ、はっきりしない奴って苦手だ一一だが、一人を集団でいじめる奴らが1番嫌いだな」
フォルメントに悪態つくと、言いながら途中で声のトーンを落として彼等に振り向きざまで一瞥(いちべつ)しながら睨む。
そしてシンザスの背後からティニーが殺気を帯びた眼差しで威圧を掛ける。
ティニーは普段、にこやかな雰囲気を持っていたが、クレイフィンのように好戦的なタイプだった。
妖精達:「(ぅ…)」
彼等はシンザスもだったが、ティニーに怯える妖精達が多かった。彼女はこの妖精達の中で『上級者』に1番近いともっぱら有名だった。
フォルメント:「シンザス…ティニー…」
ティニーはシンザスが振り向く前にその雰囲気を元に戻す。
シンザス:「…早く終わらせて戻ろうぜ」
シンザスはティニーとフォルメントを引き連れて空いた机に陣取る。
< 陣取った机 >
フォルメント達はパートナー達の情報交換やアドバイスをお互いにし合う。
そのほかにも新米の妖精達からアドバイスを求められたティニーやフォルメントが答える。
シンザスはその中にティニーに声を掛ける異性をギラギラとした眼差しを向けていた。
シンザス:「(チッ…オレの女だーっ)」
と、ティニーに色目を使う異性をぐわーっと追っ払っていた。
ティニー:「もうっ…シンザスってばー」
ティニーは完全に呆れ返っていたが、フォルメントは笑っていた。
フォルメントの笑顔を見た二人は胸が温かくなった。
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