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< 二日後 >
< 昼前 >
< クレイフィンの部屋 >
クレイフィン:「…ティニー、そろそろ時間だ」
クレイフィンは出入口の前でティニーに振り向きながら言った。
ティニー:「うん…」
ティニーはどこと無く浮かない表情で微笑むと頷く。
それを見たクレイフィンは小さなため息を吐くと、ティニーのほうに腕を伸ばす。
ティニーは自然とその腕の指先に触れる。
ティニー:「…クレイ?」
ティニーはクレイフィンを見つめた。見つめられた彼女の瞳は真っ直ぐにティニーを見つめていた。
クレイフィン:「一一何も心配はいらない。ゼファルは強い…シンザスは決して怪我を負ったりはしない」
ティニー:「!、クレイ…」
ティニーは目を少し丸くすると、目に涙ぐみながら小さく何度も頷く。
クレイフィン:「…クス…行こうか、ティニー。トオマやフォルメントが待っている頃だろうからな」
クレイフィンとティニーは十真やフォルメントを迎えに行く役割を担っていた。
クレイフィンは出入口の扉の前に立つと、コンコンと叩く。少し間を空けて扉を手前に開く。
< きぃ… >
光の壁が目の前にあり、クレイフィンは戸惑わずに上半身をその中に突っ込む。
< 十真の部屋 >
< コンコン…きぃ… >
扉が勝手に開くとクレイフィンの上半身がヌッ…と出て来たのを見た十真は硬直してしまっている。
十真は片付けをしていたのか、服を手に持ったままだった。
フォルメントはクレイフィンを見ると微笑む。
フォルメント:「あ、クレイ…こんにちは」
クレイフィン:「ああ…迎えに来た。用意が終わったら…通路に来い」
フォルメント:「ええ、ありがとう」
クレイフィンはそれだけを言い残して上半身を光の壁から抜く。
クレイフィンが消えた瞬間、十真はぱくぱくと口を動かす。
十真:「な…なんで!?、あの光の壁って…通路に繋がってたんじゃないのか?!」
フォルメント:「あれ?、言ってなかったかしら??…通路の他にも召喚された種族の部屋に行く時にも使えるのよ?」
フォルメントは十真に「仲間との行き来の仕方」を伝授する。それは行きたい人物を思い浮かべるだけで可能だということを。
それを可能にするにはそれなりの信頼がないと行けなかった。
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