第五章

3/16
前へ
/1380ページ
次へ
< 通路 > 十真(とおま)が通路に来た時、クレイフィンは向かい側の通路の壁に背もたれ、腕を組んでいた。ティニーは可能の横をふわふわと漂っていた。 ティニー:「あっ…こっちだよー」 ティニーが十真とフォルメントに手を振る。 クレイフィンは二人を確認すると、腕組みや背もたれるのを止める。 クレイフィン達は十真達に近づくと、小さく頷くと歩く。 十真:「なぁ…クレイフィン、今日も滝の水面を覗くのか?…確か昨日も…だったよな?」 昨日はゼファルとクレイフィンとほぼ一日中、滝の水面で対戦を観戦していた。 妖精達は楽しそうにしていたが、十真は途中から飽き、ゼファルはあまりの恐怖から身体を震わせていた。 クレイフィンはあまり興味がなかったのか、背もたれたまま眠っていた。 クレイフィン:「ああ。…嫌なのか?…あれだったら…直に対戦を見に行くか?」 十真:「…へ?」 十真がクレイフィンの言葉にキョトンとする。それを聞いたフォルメントとティニーは口を合わせて叫ぶ。 フォルメント/ティニー:「ダメーっ」 フォルメント:「トオマの身が危険よっ」 ティニー:「シンザスの集中力が欠けちゃうっ」 クレイフィンは二人を見てため息を吐く。 クレイフィン:「トオマ、滝に決定したみたいだぞ?」 十真はため息を吐く。 十真:「仕方ないなぁ…フォルメントやティニーは過保護なんだから…」 十真とクレイフィンは並んで歩きながら空いた滝をさがす。 人間と歩くポアスティング族が珍しいのか、通行人が十真よりクレイフィンを見ていた。 クレイフィンはそんな眼差しに慣れているのか、興味がないのか…あまり気にしていなかった。 しかし…十真は妙に気になった。 < 滝の水面 > 空いた場所を見つけた十真達は正面に立つ。するとクレイフィンがティニーを呼ぶ。 クレイフィン:「ティニー」 そうすると、ティニーの身体が光り輝き…滝の水面の前にクレイフィンと十真が軽くお尻の乗せるタイプの長椅子が出現した。 十真:「おぉっ」 十真が感心する。 クレイフィン:「…あまり時間は掛からないだろうが…念のためだ」 クレイフィンはそれ以上は語らずに、滝の水面をゼファルとシンザスがいる『海上』に画面を切り替える。
/1380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加