第五章

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< 海上 > ゼファルとシンザスは海上にいた。 レパート族①:「…やっと来たね…この時をずっと待っていた」 ゼファル達が対戦場所に着いた時には既に対戦相手であるレパード族が着いていた。 二人の間にはほど好い距離が空いてあった。 シンザス:「けっ…よく言うぜ…勝手に登録しやがって!」 ゼファル:「…ぅ…また対戦…やだなぁ…」 ゼファルは肩を落としながら、シンザスはいきり立っていた。 シンザス:「…登録する場合はオレに言えって言ってただろうがっ!…ったく…お前の妖精…どいつだよ」 レパード族の後ろに影にいた妖精が姿を現す。 妖精:「…俺、俺」 シンザスは妖精を見てため息を吐く。 シンザス:「…ノンスか」 ノンスと言われた妖精はニタニタしていた。 ノンス:「初級はシンザスの相棒に勝てたら昇級が確実って噂になってるからさ、勝手に登録させてもらったよ」 シンザス:「…またそのパターンか…。まぁ…うちのポンコ一一いや、ゼファルが買いかぶられてるってことか?」 シンザスはそう言いながらニヤニヤと笑っている。 ゼファル:「あ…今ポンコツって言いかけたでしょ?…俺、耳は良いんだよ?」 ゼファルがジト~とシンザスを見つめる。 シンザス:「フン…まだ言い切ってねぇって。…そう言うなら…『勘』だ勘」 シンザスが笑う。 ノンス:「相棒!、あのウルフハウンド族をぶっ飛ばしちゃえ!!…そして一気に中級に昇級するよ!」 レパート族①:「キキキ…了解♪」 ノンスがそう叫ぶと、レパード族が楽しそうに尻尾を振る。 レパード族はグンッと赤いボードを上昇させるとゼファルを見下ろす。 レパート族①:「ノンス!」 左手をゼファルの方に向けると、妖精の名を口にする。 するとノンスの身体が光り輝き、レパード族の左手が光り輝きだす。 レパート族①:「先手必勝…黒焦げになりなっ、『放投流激掌(マニューブ・カレント)』!!」 そう唱えると、手の平に火が発生して焔の球が出来上がる。 出来上がった焔の球はレパード族の意思を読み取って一気にゼファルに襲い掛かる。
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