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シンザスは舞い上がったノンスとレパード族を見て口の端が上がる。
ゼファル:「…なんか…楽しそうだよね、シンザスってば」
シンザス:「フン…争いが嫌いなお前には分からねぇって」
ゼファルは右頬を指で掻く。彼は舞い上がったレパード族の男を見上げる。
ゼファル:「んー…いつも言ってるよね?…俺は確かに争い全般は『嫌い』じゃなくて『苦手』何だってば」
シンザス:「あん?…あーそうだったか??」
ゼファルはため息を吐く。
ゼファル:「…君は基本的に俺の言葉を受け流すからなぁ…」
シンザスはゼファルを見てニヤッと笑う。
シンザス:「…だって基本的にお前は泣き言しか言わないじゃねーか」
ゼファル:「ぅ…」
ゼファルはズバッと言い当てられた事に胸を押さえる。
シンザスはノンス達を見上げると言う。
シンザス:「戯れは終わりだ。一一あちらさんの準備が終わったみたいだ」
シンザスは魔力の気配を感じると、ゼファルに言う。
ゼファルは既に分かっていたのか…顔つきが引き締まり、いつもの彼とは違っていた。
ゼファル:「シンザス、俺達は負けないよ」
シンザス:「ったり前だ!」
そうシンザスが叫ぶと、レパード族が放った一つの『放投流激掌(マニューブ・カレント)』がこちらに向かってくる。
ゼファルは膝を曲げて焔の球の軌道を読むと無駄な動きを省(はぶ)くように素早く横に避ける。
シュンッ…と小さな音を立ててゼファルを通過する。
レパート族①:「さっすがぁ…キキキ。そうでなくちゃ」
そう呟くと、左手を同じ位置のままでレパート族は魔力を集中させる。
先程までとは比べものにならないくらいにノンスの身体がほんのりと光り輝く。
するとあの焔の球がぽんぽんと二つだけ出て来た。
ゼファルを仕留めそこなった焔の球は軌道を変えて再び彼を狙う。
シンザス:「!、ゼファルっ」
シンザスが後ろを振り向き、ゼファルに声を掛ける。そしてゼファルは慌てずにノンス達のほうに背中を向ける。
レパート族①:「!」
レパート族はそれを待っていたかのように、新しく作った二つの焔の球をゼファルに放った。
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