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シンザス:「そうこなくっちゃなぁ♪…さぁ…お前の有能さを一一トオマとクレイに見せ付けてやれよ」
シンザスは自分達の対戦を見ているであろう十真(とおま)達のことを口にする。
そういうと、シンザスの身体が光り輝きだす。
ゴポゴポと音を立てながら、海面が渦(うず)を巻きだす。
大きくなった焔の球がゼファルとシンザスに襲い掛かって来る。
その状況の中で、上空にいたレパート族が右手を腰の辺りに持ってきたまま…。
レパート族①:「布石の魔法に踊らせられて…笑っちゃうね!、さぁ…俺の毛よ…意思に従えっ」
レパート族がそういった瞬間、足元の海面がゴポゴポとなる音と、焔の球達に挟み込まれた状況にいたゼファルの身体が突然…ビキィッと固まってしまう。
ゼファル:「!」
ゼファルは目を少しだけ大きくする。
シンザス:「(おい、どうした?)」
シンザスはゼファルを見る。
そこにはぴくぴくと小刻みに震えるゼファルがいた。シンザスは目を細めて震えが酷い部分を見ると、毛があちこちに付いていた。
ゼファル:「身体が…」
そう呟くゼファルを他所に、ノンスの身体が光り輝きだしてレパート族が魔法を放つ体勢を整える。
レパート族①:「行っくよ~♪、『放流滅雷(ブラスト・ショット)』!」
そう唱えた瞬間、レパート族の右手の手の平がパチパチと放電を始める。
それはやがて、槍のような形を形成する。
レパート族は勝利を確信したのか、ニタニタと笑う。
レパート族①:「俺の勝ち…キキキ」
レパート族が右腕を振り上げると、『放流滅雷(ブラスト・ショット)』を放つ。
『放流滅雷(ブラスト・ショット)』はゼファルに密着したレパート族の体毛に目掛けていっていた。
ゼファル:「………」
ゼファルの足元にはゴポゴポと渦を巻く海水。
そして焔の球達。
ゼファルは『放流滅雷(ブラスト・ショット)』より焔の球達が来るのが早いと分かると、右手で渦巻いていた海水を掬い上げるような動作を赤いボードに乗ったままする。
それに呼応するかのように、海面が盛り上がって海水がゼファルを飲み込んでしまう。
そこに焔の球達が急減速することもなく、突っ込んでいく。
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