第五章

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尖った氷がトトトトト…と突き刺さる感覚がレパート族の脳裏に浮かぶ。 もう駄目だ…と思って、ノンスだけを守ろうとわしづかみにして胸に抱く。 ノンス:「ぇ?」 ノンスは茫然としながらレパート族を見上げる。 やがて、尖った氷がレパート族の背中を一一貫くことはなかった。 貫く直前に、触れた部分がペショッ…と濡れる感じがする。 レパート族が後ろを振り向くと、ゼファルが放った『輻輳舞踊(ビック・オン)』が海水に変化していた。 やがて湯気がおさまると、ゼファルとシンザスが姿を現す。 茫然とするレパート族とノンスは…ただただゼファルを見下ろしていた。 シンザス:「あああ~~~っ!、またお前…着弾する前に魔法を解いただろう?!」 シンザスが激怒してゼファルの頭をぽかすかと叩いていた。 ゼファル:「わわわっ…ちょっと~シンザスぅっ…イタタタタ」 そこには背筋を凍らせたゼファルの姿は無く、普段通りの彼がいた。
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